益々アカデミックになってきた!😎ブラタモリ 宮古島・暮らしの秘密▼サンゴの島ならではの洞窟&地下ダムへ!
宮古島・暮らしの秘密
こんにちは
猫好き父さんです
一つの地域を掘り下げて
紹介していただけるのは
ありがたいですね
もう
ブラブラしてる域を超えてますね!
ブラ宮古島
魅惑のリゾート宮古島。サンゴの島の“暮らしの秘密”に迫ります。住宅街で発見した謎の洞窟は、島の人々のオアシスだった!?高級織物「宮古上布」その驚きの制作過程とは。世界で初めて宮古島に誕生した農業用の「地下ダム」に注目。断層を巧みに利用し、農業用水不足を劇的に改善したシステムにタモリ大興奮!フィナーレは断層上の巨大貯水槽へ。一面にサトウキビ畑が広がる絶景で、地下ダムが生んだ絶品グルメ・マンゴーに舌鼓
出演
【出演】タモリ,【アナウンサー】佐藤茉那,【語り】あいみょん
宮古島のイザガー(Izagaa)
宮古島のイザガー(Izagaa)は、沖縄県宮古島市平良に位置する歴史的な洞窟井戸(ガー)であり、市の史跡にも指定されている重要な文化財です。古くから島の人々の生活用水として、また信仰の対象として大切にされてきました。
概要
- 名称: イザガー(「ガー」は宮古方言で「井戸」を意味します)
- 種類: 洞窟井戸(ウリガーとも呼ばれる、地面を掘り下げて水を得る形式の井戸)
- 所在地: 宮古島市平良東仲宗根地区、宮古島市立平良図書館の東約200メートルに位置するとされています。住宅地に囲まれた場所にあり、地面が陥没したように大きな開口部を持つと形容されています。
- 歴史: 古い記録にもその名が見られ、例えば1727年の『雍正旧記』には、イザガーの大きさが「長さ31間(約56.4メートル)、横25間(約45.5メートル)」と記されており、古くから大規模な井戸であったことがうかがえます。周囲には石積みが残されているなど、歴史的な景観を今に伝えています。
- 文化的意義:
- **生活用水:**かつては周辺住民の貴重な生活用水として利用されていました。宮古島は河川が少なく、こうした井戸が人々の暮らしを支える上で非常に重要な役割を担っていました。
- 信仰の対象: イザガーの上には「イザガー御嶽(うたき)」と呼ばれる聖域があったとされ、井戸自体も「イザガーイビ」として信仰の対象となっていました。御嶽やイビは琉球の伝統的な信仰における聖なる空間であり、イザガーが単なる水源ではなく、精神的な拠り所でもあったことを示しています。現在でも拝所として、旧正月や特定の祭祀の際に拝まれているようです。
- 史跡: 宮古島市の史跡に指定されており、その歴史的・文化的な価値が公に認められています。
特徴
イザガーは、地面を掘り下げて作られた洞窟状の井戸で、下の方は日が差し込まず暗くなっているとされています。その独特な構造と規模は、宮古島に点在する多くの「ガー」の中でも特筆すべきものの一つです。
現在では、水道の普及により生活用水としての役割は終えましたが、宮古島の歴史や文化、人々の信仰を伝える貴重な史跡として、また「宮古島の井(ガー)巡り」の対象の一つとして、その存在意義は変わりません。
イザガーを訪れる際は、史跡であり信仰の場でもあることを理解し、敬意を持って見学することが大切です。
宮古島の地下ダム
宮古島の地下ダムについ。宮古島は、日本で唯一、大規模な地下ダムが存在する珍しい場所です。
この地下ダムがどのようにして作られ、どのような役割を果たしているのか、その仕組みや意義、そして関連する課題などについて詳しく説明します。
宮古島の地下ダムは、日本唯一の非常に大規模な地下構造物であり、島の農業、ひいては生活を支える重要なインフラです。
1. 宮古島の水事情と地下ダム建設の背景
宮古島は、沖縄本島から南西に約300kmに位置する島です。その地質は、主に**サンゴ礁が隆起してできた「琉球石灰岩」**で形成されています。
- 川がない島: 琉球石灰岩は非常に水を透しやすい(ポーラスな)地質であるため、降った雨水はすぐに地中に浸透してしまいます。このため、宮古島には川がほとんど存在しません。
- 慢性的な水不足と干ばつ: 豊富な雨量があるにもかかわらず、地表に水が溜まらないため、古くから慢性的な水不足に悩まされてきました。特に、サトウキビ栽培を主とする農業は、干ばつの影響を強く受け、生産性が不安定でした。1971年(昭和46年)には大規模な干ばつが発生し、サトウキビの収穫量が平年の4分の1以下に落ち込むなど、壊滅的な被害に見舞われました。
- 地下水の塩水化: 地下に浸透した淡水は、陸から海に向かって流れていきますが、この地下水が大量に汲み上げられると、海からの塩水が地下水に混じり込み(塩水化)、農業用水として使えなくなる問題も抱えていました。
これらの課題を解決し、安定した農業用水を確保するために、世界でも類を見ない「地下ダム」の建設構想が浮上しました。
2. 地下ダムの仕組み
宮古島の地下ダムは、その名の通り**「地下に水を貯めるダム」**です。その仕組みは、宮古島の特殊な地質を巧みに利用しています。
- 二層構造の地質:
- 上層:琉球石灰岩(帯水層):水を透しやすい(透水性がある)地層で、雨水がここに浸透して地下水として流れています。
- 下層:島尻層群(不透水層):水を透しにくい(不透水性がある)粘土質の地層で、地下水の流れをせき止める「壁」の役割を果たします。
- 止水壁(地下の壁)の建設:
- 地下ダムは、この不透水層の上に位置する帯水層を、コンクリート製の「止水壁」で締め切ることで建設されます。この止水壁は、地下深く(数十メートル)に掘り進められ、地下水が海へ流出するのを防ぎます。
- 主にオーガー工法(大型ドリルで掘削し、コンクリートを注入する工法)が用いられました。これは、当時の地下鉄工事で採用された技術を応用したものです。
- 水の貯留と利用:
- 止水壁によってせき止められた地下水は、琉球石灰岩の無数の隙間(空隙)に貯まり、地下水位が上昇します。
- 貯まった水は、ポンプで揚水され、農業用水として畑に供給されます。宮古島では、スプリンクラーによる灌漑が一般的です。
- 二つの機能:
- 堰上げ地下ダム: 地下水をせき止めて水量を増加させ、農業用水として利用できるようにします。
- 塩水阻止地下ダム: 海岸部では、止水壁が海水の地下水への侵入を防ぎ、地下水の塩水化を防止する役割も果たします。
3. 歴史と現在の主な地下ダム
地下ダムの開発に関する調査は1974年(昭和49年)から始まり、実験用の地下ダムを経て、大規模な建設がスタートしました。
- 福里ダム(ふくざとダム): 1998年(平成10年)に完成した宮古島最大の地下ダム。総貯水量約1,200万立方メートルを誇ります。
- 砂川ダム(すながわダム): 福里ダムと並ぶ主要な地下ダムの一つ。
- 皆福ダム(みなふくダム): 1977年(昭和52年)に建設された実験用の地下ダムがその始まり。
- 仲原地下ダム、保良地下ダム: 近年、伊良部島でも水需要が高まったことから、「宮古伊良部地区」として新たな地下ダムの建設が進められています。仲原地下ダムは2025年度に完了予定で、保良地下ダムの完了後の2026年度から本格運用となる見通しです。
宮古島には、地下ダムの仕組みや歴史を学べる**「宮古島市地下ダム資料館」**があり、実際に建設に使用された巨大なドリルなども展示されています。
4. メリットとデメリット(課題)
メリット
- 土地の水没がない: 地下ダムは地下に建設されるため、地上に広大な貯水池を作る必要がなく、農地や居住地を水没させずに済みます。
- 決壊災害がない: 地下にあるため、地上のダムのように決壊して洪水を引き起こすリスクがありません。
- 長期間安定した水供給: 地下水は地中の流れが遅いため、雨が降らない時期でも安定して水を供給できます。
- 水温が安定: 地下にあるため、年間を通して水温が安定しており、農作物に与える影響が少ないです。
- 水質の安定: 地上のダムに比べて外部からの汚染を受けにくく、水質が比較的安定しています。
- 営農の安定化: 安定した水供給により、干ばつの心配が減り、サトウキビだけでなく、野菜や果物、花卉(かき)などの多様な農作物の栽培が可能になり、農業の発展に大きく貢献しました。
デメリット(課題)
- 建設コストと技術的難易度: 地下深くに巨大な壁を建設するため、高度な技術と莫大な建設費用がかかります。
- 水質汚染への懸念: 農業用水として利用した水は再び地中に浸透し、地下ダムに戻ってくるため、農薬や肥料の使用に制限があります。過度な使用は地下水の汚染に繋がり、飲用には適さない水質になる可能性があります。
- 地下水量の限界: 降雨による涵養(かんよう:地下水が補充されること)に依存しているため、大干ばつが続いた場合、地下水量が減少し、利用できる水に限りがあるという根本的な問題は残ります。
- 住宅建設などの制限: 水質保全のため、地下ダム周辺での住宅建設や浄化槽の設置などに制限が設けられることがあります。
- 観光客増加と水需要の増加: 近年の観光客増加により、飲料水や生活用水としての水需要が増加しており、農業用水としての地下水とのバランスが新たな課題となっています。
宮古島の地下ダムは、島が抱える水問題を解決するために、先人たちの知恵と努力、そして最新技術が結集して実現した、世界的にも稀有な成功事例と言えます。
宮古上布
宮古上布とは
宮古上布(みやこじょうふ)は、沖縄県の宮古島で生産される、苧麻(ちょま、別名カラムシ)という植物の繊維を用いた手織りの麻織物です。その歴史は古く、重要無形文化財に指定されており、日本の染織品の中でも最高峰の一つとして知られています。
宮古上布の最大の特徴
宮古上布の最大の特徴は、以下の点に集約されます。
-
苧麻(ちょま)の極めて細い繊維と手績み糸:
- 宮古上布に使われるのは、一般的な麻とは異なる「苧麻」の繊維です。この苧麻の茎から、熟練の職人が一本一本手で繊維を剥ぎ取り、それをさらに細く裂いて、撚り合わせて「績む(うむ)」ことで、髪の毛よりも細い、極めて均一で強靭な糸を作り出します。この「手績み」の工程が、宮古上布の品質と稀少性を決定づける最も重要な要素です。
- この細い糸で織られることで、非常に薄く、軽やかで、光沢のある生地が生まれます。
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絣(かすり)の緻密さと複雑な手括り:
- 宮古上布のもう一つの特徴は、美しい絣模様(染め分けられた糸で織りなす模様)です。この絣模様を表現するために、**「手括り(てくくり)」**という非常に手間のかかる工程が行われます。
- 手括りとは、染めない部分を綿糸などで縛り、染料が浸透しないようにする伝統技法です。宮古上布の絣は、縦糸と横糸の両方に絣糸を用いる**「経緯絣(たてよこがすり)」**が基本で、その緻密さと正確さが求められます。
- さらに、模様がぼやけることなくくっきりと表れるように、**織りながら糸の配列を微調整する「手合わせ(てあわせ)」**という高度な技術も必要とされます。
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糊(のり)置きと砧打ち(きぬたうち)による独特の光沢と風合い:
- 織り上がった上布は、まず**「糊置き(のりおき)」**という工程で、芭蕉の葉から取れる粘液と米粉などを混ぜた糊を塗ります。これにより、染料の定着を促し、生地の強度を高めます。
- その後、乾燥させてから**「砧打ち(きぬたうち)」**という工程に入ります。石の上に上布を置き、木槌(きづち)で丹念に叩き続けます。この作業によって、生地が柔らかくなり、独特の美しい光沢(艶)と、シャリ感のある風合いが生まれます。同時に、糸の毛羽が潰れて、より滑らかな肌触りになります。
-
涼感と耐久性:
- 苧麻の特性と、目の粗い織り方、そして砧打ちによって、極めて通気性が高く、肌にまとわりつかないシャリ感のある生地になります。そのため、高温多湿な日本の夏でも非常に涼しく快適に着用できます。
- また、苧麻繊維の強靭さにより、非常に耐久性があり、親子三代にわたって着用できると言われるほど長持ちします。
宮古上布の歴史と伝統的な製法
宮古上布の歴史は非常に古く、15世紀頃にはその源流があったとされています。琉球王国時代には、女性たちが年貢として上納するために織られ、その品質の高さから、琉球王府や薩摩藩、さらには江戸幕府への献上品として重宝されました。過酷な労働と厳しい品質基準が課せられた歴史があります。
明治時代以降、一時生産量が激減しますが、先人たちの努力により、伝統技術が継承され、1978年(昭和53年)に国の重要無形文化財に指定されました。これは、その製法が極めて高度で、かつ機械化が不可能に近い手作業に依存しているためです。
伝統的な製法の主な工程:
- 苧麻の栽培と収穫: 春に種をまき、夏に収穫します。
- 苧麻剥ぎ(ちょまはぎ): 茎から皮を剥ぎ、繊維を取り出します。
- 苧麻績み(ちょまうみ): 繊維を細く裂き、唾液をつけながら一本一本手で撚り合わせて糸を作ります。この工程が最も時間と熟練を要します。
- 糸繰り(いとくり): 績んだ糸を均一な太さにする。
- 絣括り(かすりくくり): 模様に応じて糸を綿糸で縛り、染料が浸透しないようにする。
- 藍染め(あいぞめ): 天然の藍で糸を染めます。
- 糊付け: 染めた糸に糊をつけ、乾燥させる。
- 地割り(じわり): 織り機に縦糸を張る準備。
- 手織り(ており): 伝統的な地機(じばた)や高機(たかばた)を使って、緻密な絣模様を合わせながら手で織り上げていきます。
- 糊落とし: 織り上がった生地の糊を落とす。
- 砧打ち(きぬたうち): 織り上がった生地を石の上で木槌で叩き、光沢と柔らかさを出す。
- 仕上げ: アイロンがけなどで形を整える。
これらの工程の多くが、今もなお、機械を使わない手作業で行われています。
宮古上布はなぜ高価なのか?
宮古上布が非常に高価である主な理由は、その生産に要する膨大な時間と労力、そして熟練の職人技にあります。
- 手績み糸の労働集約性: 1反(着物1着分、幅約38cm×長さ約12m)を織るのに必要な苧麻の糸を績むだけで、1年以上かかると言われています。これは、髪の毛よりも細い繊維を、一本一本手でつなぎ合わせる気の遠くなるような作業だからです。
- 高度な技術と熟練: 絣括り、手織り、砧打ちなど、各工程が非常に高度な技術を要し、習得には長年の修行が必要です。
- 職人の減少: 後継者不足や高齢化により、これらの技術を持つ職人が年々減少しており、生産量が限られています。
- 原材料の確保: 良質な苧麻を確保することも重要です。
- 文化財的価値: 国の重要無形文化財としての価値も価格に反映されます。
これらの要因が複合的に作用し、宮古上布は現在、1反あたり数百万円から、品質によっては1000万円を超えることもある、極めて高価な織物となっています。その価格は、単なる製品の値段ではなく、長年にわたる職人の技術と情熱、そして歴史の重みが凝縮されたものと言えるでしょう。
宮古上布は、着物としてだけでなく、その美しい色柄と手触りから、美術品としても評価されています。
ファームポンド
宮古島のファームポンドは、島の農業を支える上で非常に重要な役割を担う貯水施設です。宮古島は大きな河川がなく、降水量の変動も大きいため、安定的な農業用水の確保が長年の課題でした。この問題を解決するために建設されたのが、地下ダムとファームポンドを中心とした灌漑(かんがい)システムです。
ファームポンドの主な役割と特徴
- 農業用水の貯留と供給: ファームポンドの最も重要な役割は、地下ダムから汲み上げられた地下水を一時的に貯留し、必要に応じて各農地に効率的に供給することです。これにより、天候に左右されずに計画的な水利用が可能となり、サトウキビをはじめとする農作物の安定生産に貢献しています。
- 地下ダムとの連携: 宮古島のファームポンドは、地下に建設された「地下ダム」と密接に連携しています。地下ダムは、透水性の高い琉球石灰岩層内に壁を造り、地下水の流れを堰き止めて貯留する施設です。この地下ダムからポンプで汲み上げられた水がファームポンドに送られ、そこからさらにパイプラインなどを通じて各畑に配水されます。
- 島内各所への配置: 宮古島には、国営かんがい排水事業などによって複数のファームポンドが島内各所に計画的に配置されています。これにより、広範囲の農地へ効率的に水を供給することが可能になっています。代表的なものとして、砂川ファームポンドや福里ファームポンドなどがあります。
- 農業振興への貢献: ファームポンドを含む灌漑施設の整備は、宮古島の農業生産性を大きく向上させ、農家の経営安定や地域経済の発展に貢献してきました。特に、主要作物であるサトウキビ栽培にとっては不可欠なインフラとなっています。
近年の動向
近年では、一部のファームポンドがその広大な敷地を利用して太陽光発電施設に転用される動きも見られます。これは、再生可能エネルギーの導入促進という新たな社会的要請に応えるものであり、ファームポンドの多角的な活用例として注目されています。
宮古島のファームポンドは、単なる貯水池ではなく、島の水資源を有効活用し、厳しい自然条件下での持続的な農業を可能にするための重要な社会基盤と言えるでしょう。
宮古島のファームポンドは、島の農業を支える上で非常に重要な役割を担う農業用水利施設です。宮古島は年間降水量が比較的多いものの、大きな河川がなく、また透水性の高い琉球石灰岩に覆われているため、雨水がすぐに地下へ浸透してしまい、水資源の確保が長年の課題でした。この課題を克服するために建設された地下ダムと連携し、農地に水を安定供給するシステムの中核を担うのがファームポンドです。
ファームポンドとは?
ファームポンドは、簡単に言うと「農業用のため池」です。主な目的と機能は以下の通りです。
- 一時貯水: 地下ダムなどから汲み上げられた農業用水を一時的に貯めておく施設です。
- 水位調整と安定供給: 標高の高い場所に設置され、高低差を利用して自然流下で畑に水を送ります。これにより、ポンプの頻繁な運転を避けつつ、必要な時に必要な量の水を安定的に供給できます。また、1日の中での水需要の変動を調整する役割も果たします。
- 水管理の効率化: ファームポンドを介することで、広範囲の農地への配水管理が容易になります。
宮古島におけるファームポンドの役割と重要性
宮古島では、地下ダムに貯留された水を水中ポンプで汲み上げ、まずファームポンドへ送水します。そして、このファームポンドから各畑地のスプリンクラーなどの灌漑設備へ水が供給される仕組みになっています。
- 「水なし農業」からの脱却: ファームポンドを含む灌漑システムは、かつて「水なし農業」と言われ、干ばつに苦しんできた宮古島の農業に革命をもたらしました。さとうきび偏重だった農業から、野菜や熱帯果樹、花卉栽培など多様な作物の栽培を可能にし、農業経営の安定化に大きく貢献しています。
- 地下ダムとの連携: 宮古島のファームポンドは、世界的に見ても大規模な地下ダムと一体となって機能している点が特徴です。地下ダムで蓄えられた貴重な水資源を効率的に利用するための重要な中継点と言えます。
- 迅速な配水: 地下ダムから直接各畑に送水するよりも、一度ファームポンドに貯めることで、より迅速かつ安定的に水を供給できます。
宮古島の主なファームポンド
宮古島地区には、国営かんがい排水事業などによって複数のファームポンドが整備されています。主なものとして、
- 仲尾峰(なかおみね)ファームポンド
- ピンフ岳(ぴんふだけ)ファームポンド
- ミルク峰(みるくみね)ファームポンド
- 東山(あがりやま)ファームポンド
- 野原岳(のばるだけ)ファームポンド
- 来間島(くりまじま)ファームポンド
さらに伊良部島にも牧山(まきやま)ファームポンドなどが建設されており、これらの施設が島々の農業を支えています。
課題
安定的な農業用水供給に不可欠なファームポンドですが、以下のような維持管理上の課題も考えられます。
- 定期的な清掃: 水質維持や機能保持のため、定期的な清掃やメンテナンスが必要です。
- 施設の老朽化対策: 今後、施設の老朽化に伴う改修や更新も課題となってくる可能性があります。
- 水需要の変動への対応: 作付作物の変化や気候変動による水需要の変動に対応していく必要もあります。
宮古島のファームポンドは、島の自然条件を克服し、持続可能な農業を発展させるための人間の知恵と努力の象徴とも言える施設群です。島の経済や食文化を支える基盤として、今後もその適切な維持管理と有効活用が求められています。
マンゴー
宮古島は、日本有数のマンゴーの産地として知られ、その品質の高さと美味しさで多くの人々を魅了しています。亜熱帯の太陽をたっぷりと浴び、ミネラル豊富な土壌で育った宮古島産マンゴーは、濃厚な甘さと芳醇な香りが特徴です。
宮古島マンゴーの特徴
- 恵まれた栽培環境: 宮古島は水はけの良い琉球石灰岩の土壌と、沖縄本島よりも年間平均気温が1℃ほど高い温暖な気候に恵まれており、マンゴー栽培に最適な環境です。
- 完熟収穫へのこだわり: 多くの農園では、マンゴーが樹上で完熟し、自然に落下する直前や落下したもの(袋がけでキャッチ)を収穫しています。これにより、輸入マンゴーなどとは一線を画す、最高の糖度と濃厚な味わいを実現しています。
- 濃厚な甘みと香り: 宮古島産マンゴーは、とろけるような食感、濃厚な甘み、そして南国情緒あふれる豊かな香りが特徴です。
- 丁寧な栽培: 一つの枝に多くの実をつけさせず、養分を集中させて高品質なマンゴーを育てる「一枝一果」にこだわる農園もあります。
主な品種と旬の時期
宮古島では主に以下の品種が栽培されています。
- アーウィン(アップルマンゴー):
- 特徴:果皮がリンゴのように赤く染まるため「アップルマンゴー」とも呼ばれます。宮古島での生産量が最も多い代表的な品種です。果肉はオレンジ色で繊維が少なく、濃厚な甘みと程よい酸味のバランスが絶妙です。
- 旬の時期:6月中旬~8月上旬頃。特に7月は糖度が高まり、最も美味しい時期と言われています。
- キーツマンゴー:
- 特徴:果皮が緑色のまま完熟するのが特徴で、サイズが大きく、1玉1kg以上になることもあります。果肉は繊維が少なく、非常に濃厚でクリーミーな甘みを持ち、「幻のマンゴー」とも呼ばれる希少品種です。追熟が必要な場合があります。
- 旬の時期:8月上旬~9月頃。
- 夏小紅(なつこべに):
- 特徴:比較的新しい品種で、宮古島ではまだ栽培農家が少ない希少なマンゴーです。繊維をほとんど感じない滑らかな舌触りと、マンゴー特有のクセが少なく香りが高いのが魅力。糖度が非常に高くなる傾向があります。
- 旬の時期:7月~8月頃。
- ミニマンゴー:
- 特徴:アーウィン種の一種で、手のひらサイズで食べやすいのが特徴。小さいながらも甘みが凝縮されています。
宮古島マンゴーの購入方法
- 現地での購入:
- 農園の直売所: 多くのマンゴー農園では、収穫時期になると直売所を開設し、採れたてのマンゴーを販売しています。試食ができる場合もあります。
- 島の駅みやこ: 宮古島の特産品が揃う施設で、マンゴーのシーズンには多くの種類のマンゴーが並びます。お土産や贈答用としても人気です。
- その他直売所やスーパー: 島内の直売所や一部スーパーでも購入可能です。
- 通販での購入:
- 多くの農園や販売店がオンラインショップを開設しており、全国へ発送しています。収穫時期に合わせて予約販売を行うところが多いです。
宮古島の有名なマンゴー農園・ブランド(一部)
島内には多くの素晴らしいマンゴー農園があります。いくつかの例を挙げます。
- Tsumma Farm Miyakojima
- 高田ファーム(翠然フルーツ)
- 長北ファーム
- 宮古島空水土フルーツファーム
- 栄福果樹園
- へんとな農園
- ブルータートルファーム
マンゴー狩り・食べ放題
- マンゴー収穫体験: 一部の農園(例:ブルータートルファームなど)では、マンゴーの収穫体験ができるツアーを実施している場合があります。ただし、収穫したマンゴーは追熟が必要なため、その場ですぐに食べられるわけではないことが多いです。
- マンゴー食べ放題: 常設でマンゴー食べ放題を行っている施設は限られており、特定の時期やイベントとして開催されることが多いようです。「島の駅みやこ」などで期間限定のイベントが行われることもありますので、事前に情報を確認することをおすすめします。
美味しい食べ方と保存方法
- 追熟: 購入したマンゴーがまだ硬い場合は、常温(直射日光の当たらない涼しい場所)で追熟させます。新聞紙などで包んでおくと乾燥を防げます。マンゴーの表面にツヤが出て、甘い香りが強くなり、軽く押してみて柔らかさを感じたら食べ頃です。
- 食べ方:
- 花咲カット(格子カット): 種を避け、左右を3枚におろし、果肉の部分に格子状の切れ目を入れ、皮側から押し上げるようにすると、見た目も華やかで食べやすくなります。
- そのままスプーンですくって食べるのも贅沢です。
- スムージーやジュース、デザートの材料としても最高です。
- 保存方法:
- 完熟後: 完熟したマンゴーは、乾燥しないようにラップや新聞紙で包み、冷蔵庫の野菜室で保存し、早めに(1週間程度を目安に)食べましょう。
- 冷凍保存: 長期保存したい場合は、皮と種を取り除き、食べやすい大きさにカットしてラップで包み、冷凍用の保存袋に入れて冷凍します。解凍後はシャーベットのように楽しんだり、スムージーなどに活用できます(約1ヶ月程度保存可能)。
宮古島を訪れた際には、ぜひ本場の美味しいマンゴーを味わってみてください。また、お土産や贈り物としても大変喜ばれる逸品です。
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— NHK総合 (@NHK_GTV) May 24, 2025