六畳間のピアノマン

画像は公式からの引用です

「六畳間のピアノマン」は、安藤祐介さんによる小説（当初のタイトルは「逃げ出せなかった君へ」）を原作とし、2021年2月にNHK総合で放送されたテレビドラマです。

著者: 安藤祐介
ジャンル: 社会派小説、連作短編
内容:
ブラック企業でのパワハラや過重労働が原因で事故死してしまった一人の青年、夏野誠（なつのまこと）と、彼が生前に動画サイトに投稿していた「六畳間のピアノマン」と名乗るピアノ演奏動画を中心に、彼と関わりのあった人々の人生が交錯していく群像劇です。
物語は、亡くなった誠の元同僚、父親、そして彼の動画に励まされる高校生など、それぞれの視点から語られ、社会の理不尽さや人間の弱さ、そしてそれでも希望を見つけようとする人々の姿が描かれています。ビリー・ジョエルの名曲「ピアノ・マン」が重要なモチーフとして使われています。

放送: NHK総合「土曜ドラマ」枠で2021年2月6日から2月27日まで放送（全4回）。
脚本: 足立紳（映画「百円の恋」など）
主な出演:
- 村沢憲治：加藤シゲアキ
- 夏野泰造（誠の父）：段田安則
- 上河内秀人（元上司）：原田泰造
- 有村美咲：南沙良
- 夏野誠（六畳間のピアノマン）：古舘佑太郎
- 大友：三浦貴大
- その他、森永悠希、上地雄輔、細田善彦、麻生祐未など
あらすじ:
ドラマは、亡くなった夏野誠が残した「六畳間のピアノマン」の動画を軸に、彼の元同僚である村沢（加藤シゲアキ）が、新たな職場でパワハラに苦しむ新人を見て過去の夏野を助けられなかった自分と向き合う物語から始まります。
その後、誠の父・泰造（段田安則）が、息子を苦しめた元上司と再会し、憎しみや後悔と向き合う姿が描かれます。
また、プロの歌手を夢見る高校生・有村美咲（南沙良）が、心の支えである「六畳間のピアノマン」にメッセージを送ることで人生が動き出すエピソードも。
最終的には、それぞれの登場人物が「六畳間のピアノマン」の歌声に導かれるように、それぞれの困難を乗り越え、前へと進んでいく姿が描かれています。

現代社会の抱えるパワハラやブラック企業の問題、そしてそれに苦しむ人々の心の葛藤をリアルに描き出し、多くの視聴者の共感を呼びました。
「ひとりじゃない」「離れていてもつながっている」というメッセージが、コロナ禍で人と人とのつながりが希薄になりがちな時代に、温かい希望を与えたと評価されています。
加藤シゲアキさん、段田安則さん、原田泰造さんなど、実力派俳優陣の演技も高く評価されました。

「六畳間のピアノマン」は、社会の闇に光を当てながらも、人々の心の奥底にある優しさや強さを描いた、感動的な作品として知られています。