人はなぜ認知症になるのか🧠知的探求フロンティア タモリ・山中伸弥の!? 認知症 克服のカギ
人はなぜ認知症になるのか
こんにちは
猫好き父さんです
今回も学びが多かったです
認知症克服のカギ
一つでも
生活に取り入れられたら
いいですね
びっくり・はてな
テーマは「認知症克服のカギ」タモリ・山中伸弥・吉岡里帆の豪華MCがお届けする知的エンターテインメントの第2弾!世界各地を飛び回り、最先端の認知症研究を徹底取材!なんと身近な「感染症」がアルツハイマー病などのリスクになっていた!?あのワクチンで認知症が予防できる!?さらに、最新の「認知症対策」を一挙大公開!認知症のリスクを45%も減らせる方法とは?知的探求の果てに、新たな“認知症観”が見えてくる!
出演
【出演】タモリ,山中伸弥,吉岡里帆,吉村崇,岐阜大学教授…下畑享良
認知症
認知症は、さまざまな原因で脳の細胞が壊れたり、働きが悪くなったりすることで、記憶や思考能力などが低下し、日常生活に支障をきたすようになる病気の総称です。
老化による「もの忘れ」と混同されがちですが、認知症は病気であり、進行性の特徴を持つ点が大きく異なります。
主な症状
認知症の症状は、大きく分けて中核症状と**周辺症状(BPSD)**の2つがあります。
1. 中核症状
脳の機能障害によって直接的に現れる症状です。
記憶障害: 新しいことを覚えられなくなったり、以前の記憶が抜け落ちたりします。例えば、食べた食事の内容を思い出せない、物の置き場所が分からなくなる、といった症状が見られます。
見当識障害: 時間、場所、人物の区別がつかなくなります。「今日が何月何日か分からない」「今いる場所が自宅だと認識できない」などが挙げられます。
実行機能障害: 物事を順序立てて計画し、実行することが難しくなります。料理の手順が分からなくなったり、買い物の計画が立てられなくなったりします。
2. 周辺症状(BPSD: Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)
中核症状に加えて、本人の性格や環境、人間関係など様々な要因が絡み合って現れる症状です。
徘徊: 目的もなく家を出て歩き回ります。
妄想: 誰かに物を盗まれたと信じ込む「物盗られ妄想」などがよく見られます。
抑うつ・不安: 自分の変化に戸惑い、気分が落ち込んだり、不安になったりします。
幻覚・幻視: 実際にはないものが見えたり聞こえたりします。
主な種類と原因
認知症にはいくつかの種類があり、最も多いのは以下の2つです。
アルツハイマー型認知症: 脳に「アミロイドβ」というタンパク質が溜まり、神経細胞が破壊されることで起こります。進行は比較的緩やかです。
脳血管性認知症: 脳梗塞や脳出血などによって脳の血流が悪くなり、神経細胞が壊れることで起こります。症状が段階的に進行する「まだら認知症」と呼ばれることもあります。
UKバイオバンク
UKバイオバンク(UK Biobank)は、イギリスの50万人を対象とした大規模な健康情報データベースです。
目的と概要
このプロジェクトの主な目的は、遺伝的要因や生活習慣が、加齢に伴う様々な病気(がん、心臓病、糖尿病など)の発症にどのように影響するかを解明することです。
参加者の詳細な健康情報が収集され、研究者に提供されます。
参加者: 40歳から69歳までのイギリス国民約50万人。
情報: 血液、尿、唾液などの生体試料、遺伝子情報、生活習慣、身体計測データ(身長、体重、血圧など)、そして医療記録などが含まれます。
貢献と重要性
UKバイオバンクのデータは、世界中の科学者や研究者が利用でき、医療研究に多大な貢献をしています。
疾患の予防と治療: 収集されたデータは、病気のリスクを予測したり、新しい治療法や薬を開発したりするための貴重な資源となっています。
個別化医療の進展: 遺伝子情報と生活習慣データを組み合わせることで、個々の遺伝子に合わせた医療(個別化医療)の発展にも貢献しています。
UKバイオバンクは、公共の利益のために、透明性と倫理的な配慮を最も重視して運営されています。
感染症と認知症の関係
感染症と認知症の関係については、近年の研究で、特定の感染症が認知症のリスクを高める可能性が指摘されています。
これは、感染症によって引き起こされる体内の炎症が、脳に影響を与えるという考え方に基づいています。
主な関係性
ウイルス感染と認知症:
ヘルペスウイルスの一種である単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)は、口唇ヘルペスなどの原因となりますが、これがアルツハイマー病の発症リスクを高める可能性が研究で示唆されています。ウイルスが脳に潜伏し、加齢や免疫力の低下によって再活性化することで、認知機能に影響を与えると考えられています。
歯周病と認知症:
歯周病は口腔内の細菌感染症ですが、この細菌が血管に入り込み、脳に達することで炎症を引き起こし、アルツハイマー病の原因とされるタンパク質(アミロイドβ)の蓄積を促進する可能性が指摘されています。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と認知症:
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患した患者の中には、ブレインフォグ(思考力の低下や集中力の低下)といった認知機能の低下を訴える人がいることが報告されています。これが将来的に認知症の発症につながるかについては、さらなる研究が必要です。
感染症予防の重要性
これらの研究から、感染症を適切に管理・予防することが、認知症のリスク低減につながる可能性が示唆されています。特に、口腔ケアをしっかり行うことや、ウイルス感染症を予防することは、脳の健康を保つ上でも重要であると考えられています。
アミロイドβとタウ
アミロイドβとタウは、アルツハイマー病と深く関わる2つのタンパク質です。どちらも健康な人の脳に存在しますが、何らかの原因で異常な状態になると、脳の神経細胞に悪影響を及ぼし、認知機能の低下につながると考えられています。
アミロイドβ(Aβ)
役割と異常:
アミロイドβは、本来は脳の活動に関わる重要なタンパク質ですが、異常な状態になると脳内に蓄積しやすくなります。
「老人斑(ろうじんはん)」の形成:
このアミロイドβが脳のあちこちで凝集して固まり、**「老人斑」**と呼ばれる斑点状の沈着物を作ります。この老人斑が神経細胞の外側にできることで、神経細胞の働きを妨げ、最終的には細胞を死滅させると考えられています。
タウ(Tau)
役割と異常:
タウは、神経細胞内の骨組み(微小管)を安定させる役割を担うタンパク質です。
「神経原線維変化」の形成:
アルツハイマー病になると、タウが過剰にリン酸化され、正常な役割を果たせなくなります。その結果、タウ同士が絡み合い、神経細胞の内部に**「神経原線維変化」**と呼ばれる線維状の塊を形成します。これにより、神経細胞内の物質輸送が滞り、神経細胞が死滅すると考えられています。
2つのタンパク質の関係
現在の研究では、アルツハイマー病はまず、アミロイドβの蓄積が始まり、その後にタウの蓄積が加速するという流れが有力視されています。アミロイドβが神経細胞の外に溜まり、それが引き金となって神経細胞内のタウが異常化し、病状が進行していく、という仮説です。
この2つのタンパク質の蓄積メカニズムを解明することが、アルツハイマー病の治療法開発における重要な目標となっています。
帯状疱疹ワクチンが認知症の発症リスク低下に「関連性」がある
近年の研究で、ワクチン接種と認知症の発症リスク低下に「関連性」があることが示唆されています。
この関連性は、いくつかの大規模な疫学調査で報告されています。
研究で示唆されていること
リスクの低下: 帯状疱疹ワクチンを接種した人は、非接種者と比較して、認知症(特にアルツハイマー病)を発症するリスクが低いという調査結果が複数出ています。
関連性であり、因果関係ではない: これは「ワクチンが認知症を予防する」という因果関係を証明したものではなく、「ワクチンを接種した人に、結果的に認知症の発症が少ない」という統計的な関連性を示した段階です。
なぜ関連があると考えられているのか
科学者たちは、帯状疱疹ワクチンと認知症の間に、以下のような間接的な関係があるのではないかと考えています。
ウイルスと脳の炎症: 帯状疱疹の原因となる水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)が再活性化して神経を刺激すると、脳に炎症が起きることがあります。この炎症が、アルツハイマー病の原因とされるアミロイドβやタウといったタンパク質の蓄積を促進する可能性があるという仮説が立てられています。
ワクチンの役割: ワクチンを接種することで、帯状疱疹そのものを予防し、結果としてVZVによる脳の炎症リスクを下げているのではないか、と考えられています。
重要な注意点
現時点では、帯状疱疹ワクチンは帯状疱疹の予防を目的として接種されるものです。認知症の予防を目的としたものではないため、医師と相談して接種の必要性を検討することが重要です。この関連性については、今後さらなる研究が求められています。
アルツハイマー型認知症の発症のプロセス
アルツハイマー型認知症の発症は、自覚症状が現れるはるか以前から、脳内で静かに進行するプロセスです。主にアミロイドβとタウという2種類の異常なたんぱく質の蓄積が、この病気の引き金となります。
発症の主なプロセス
1. アミロイドβの蓄積(無症状期)
病気の最初期に起こるのが、アミロイドβというたんぱく質の蓄積です。
何が起こるか: 本来は正常に排出されるはずのアミロイドβが、何らかの原因で脳内に溜まり始め、神経細胞の外側で固まり、「老人斑(ろうじんはん)」と呼ばれる斑点を形成します。
症状: この段階では、まだ自覚できる症状はほとんどありません。しかし、脳内では病変が始まっており、この状態が10年以上続くこともあります。
2. タウの異常化と脳の萎縮(症状の始まり)
アミロイドβの蓄積が進むと、それが引き金となり、別のたんぱく質である「タウ」が異常な状態になります。
何が起こるか: 正常な働きを失ったタウは、神経細胞の内部で絡み合い、「神経原線維変化(しんけいげんせんいへんか)」という塊を作ります。これにより、神経細胞内の物質輸送が滞り、細胞そのものが死滅していきます。
症状: この段階になると、記憶を司る海馬という部位から神経細胞の破壊が始まり、もの忘れなどの**軽度認知機能障害(MCI)**が現れ始めます。
3. 症状の進行と拡大(認知症期)
アミロイドβとタウの蓄積がさらに広範囲に及ぶと、症状が顕著になり、日常生活に支障をきたすようになります。
何が起こるか: 脳の萎縮が進行し、記憶や思考、判断力などを司る複数の部位が影響を受けます。
症状: 新しいことを覚えられない記憶障害、時間や場所が分からなくなる見当識障害、物事の計画が立てられない実行機能障害などが明確に現れます。
このように、アルツハイマー型認知症は、脳内のごく小さな変化から始まり、非常に長い時間をかけて徐々に進行していく病気です。
アミロイドβ抗体薬
アミロイドβ抗体薬は、アルツハイマー病の治療薬として開発されているもので、脳内に蓄積したアミロイドβという異常なたんぱく質を除去することを目的としています。
作用の仕組み
この薬は、私たちの体内で病原体などから身を守る「抗体」の仕組みを応用しています。
アミロイドβを標的に:
アミロイドβ抗体薬は、アミロイドβを特異的に認識して結合するように設計されています。
脳からの除去:
抗体がアミロイドβに結合することで、脳内の免疫細胞がその複合体を異物と認識し、アミロイドβを脳から取り除くように働きかけます。
これにより、アルツハイマー病の原因と考えられている「老人斑」の形成を抑制し、病気の進行を遅らせることを目指します。
代表的な薬
現在、日本国内で承認されているアミロイドβ抗体薬には、以下のようなものがあります。
アデュカヌマブ: アルツハイマー病の進行抑制効果が期待されており、早期アルツハイマー病患者を対象にしています。
レカネマブ: アミロイドβを効果的に除去することが臨床試験で示され、アルツハイマー病の進行を遅らせる効果が確認されています。
これらの薬は、まだ初期段階のアルツハイマー病患者を対象としており、誰でも使用できるわけではありません。また、脳の腫れや出血といった副作用のリスクもあるため、医師の厳密な管理のもとで投与されます。
クライストチャーチ変異
クライストチャーチ変異(Christchurch mutation)とは、アルツハイマー病の発症を抑制する可能性が示唆されている、APOE3遺伝子における非常に稀な遺伝子変異のことです。
発見の経緯
この変異が注目されたきっかけは、南米コロンビアに住む、遺伝性アルツハイマー病を持つ大家族の事例でした。この家族は、プレセニリン1(PSEN1)という遺伝子の変異により、通常は40代から50代でアルツハイマー病を発症します。
しかし、その家族の一人の女性が、70代後半になっても認知症を発症しなかったことが判明しました。詳細な遺伝子解析の結果、彼女が「PSEN1変異」に加えて、この「APOE3クライストチャーチ変異」も持っていることが明らかになりました。
変異の特徴と研究における意義
アミロイドβの蓄積を抑制:
研究の結果、この女性の脳内には、通常であれば大量に蓄積しているはずのアミロイドβが、比較的少ない状態であることがわかりました。これは、クライストチャーチ変異が、アミロイドβの蓄積を阻害する「防御的な役割」を担っている可能性を示しています。
タウの蓄積を遅らせる:
さらに、この変異は、アルツハイマー病のもう一つの原因とされる「タウ」の異常な蓄積も遅らせていることが示唆されています。
この発見は、アルツハイマー病の新たな予防法や治療薬の開発に繋がる、重要なヒントとして世界中の研究者から注目されています。
APOE(アポイー)遺伝子
APOE遺伝子は、アポリポ蛋白E(Apolipoprotein E)というタンパク質を作る遺伝子で、脂質(コレステロールなど)を血液中や脳内で運搬する役割を担っています。この遺伝子は、いくつかのタイプ(対立遺伝子)があり、特にアルツハイマー病との関連が深く研究されています。
3つの主なタイプ
APOE遺伝子には、APOE2、APOE3、APOE4という3つの主要なタイプ(対立遺伝子)があります。私たちは、両親からそれぞれ1つずつAPOE遺伝子を受け継ぐため、APOE2/APOE3のように2つのタイプを持つことになります。
APOE3: 最も一般的なタイプで、アルツハイマー病の発症リスクは平均的です。
APOE2: アルツハイマー病のリスクを最も下げるタイプとされています。このタイプを持つ人は、脳内のアミロイドβを効率よく除去できると考えられています。
APOE4: アルツハイマー病の発症リスクを最も高めるタイプです。特に、両親からAPOE4を1つずつ受け継いでAPOE4/APOE4となった場合、発症リスクが顕著に高まります。
アルツハイマー病との関係
APOE遺伝子のタイプは、アミロイドβというタンパク質が脳内に蓄積する速度に影響を与えると考えられています。APOE4を持つと、アミロイドβの除去がうまくいかず、脳内に凝集して「老人斑」ができやすくなります。これがアルツハイマー病の発症につながる一因とされています。
APOE遺伝子研究の重要性
APOE遺伝子の研究は、アルツハイマー病の診断や、将来的な発症リスクの予測に役立つ可能性があります。ただし、APOE4を持つからといって必ずしも発症するわけではなく、あくまで「リスク要因の一つ」であることに留意が必要です。生活習慣や他の遺伝的要因も複雑に関わっているため、APOE遺伝子型を知ることは、早期の予防策を考えるきっかけとなります。
APOE4遺伝子
APOE4遺伝子は、一般的に女性にとってアルツハイマー病の発症リスクを男性よりも高くすることが、多くの研究で示されています。したがって、通常は女性にとって不利な遺伝子型と見なされます。
しかし、なぜこのリスク遺伝子が進化の過程で淘汰されずに残ったのか、という観点から、特定の状況下で有利に働く可能性を示唆する仮説が研究されています。
仮説:特定の状況下での潜在的メリット
一部の進化生物学的な研究では、APOE4が過去の環境において、特に女性にとって有益な特性をもたらした可能性が提唱されています。
出産と生殖: 若い女性、特に妊娠や出産、授乳期においては、APOE4が免疫機能や脂質代謝を効率化し、子孫の生存率を高める働きをしていた可能性が考えられています。
感染症への耐性: 過去の衛生環境が劣悪な時代には、APOE4が免疫反応を強くすることで、特定の感染症に対して抵抗力を高める役割を担っていたという説もあります。
これらの仮説は、APOE4が若い頃の生存と生殖に有利な面を持つ一方で、長寿社会になった現代では、それがアルツハイマー病という形で発症リスクを高める「トレードオフ」の関係にあるのではないか、という考え方に基づいています。
ただし、これらの説はまだ仮説の段階であり、「APOE4が女性に有利に働く」という見方は、ごく一部の研究に限られたものです。科学的な事実として確立されているのは、APOE4が女性のアルツハイマー病リスクを顕著に高めるという点です。
シルバー川柳
シルバー川柳は、高齢者(シニア世代)が自身の日常生活や心境をユーモアや自虐を交えて五・七・五の形式で表現する川柳のことです。
特徴と魅力
共感とユーモア:
加齢に伴う体の変化や、デジタル機器に戸惑う様子など、高齢者ならではの「あるある」を面白おかしく詠んでいます。
自虐と哲学:
自身の衰えをユーモラスに自虐しながらも、達観した人生観や深い洞察が垣間見える作品も多くあります。
社会の鏡:
年金や医療、家族との関係など、高齢者を取り巻く社会の現状を映し出す一面も持っています。
主催と歴史
シルバー川柳は、全国老人福祉施設協議会が2001年から毎年開催しており、毎年数万句もの応募が寄せられる人気のイベントとなっています。このイベントは、高齢者の生き生きとした心境を世の中に伝える貴重な場となっています。
代表的な作品例
過去に優秀作品に選ばれた例として、以下のようなものがあります。
「『年金日』 銀行に行く 遠足気分」
「おじいちゃん LINEで送る 孫の写真」
「まだ大丈夫 と言い聞かせる エレベーター」
久山町研究(ひさやまちょうけんきゅう)
久山町研究(ひさやまちょうけんきゅう)は、福岡県糟屋郡久山町で行われている、循環器病や認知症の疫学調査です。これは、特定の地域住民全体を対象に、病気の発生状況や原因を長期間にわたって追跡調査する「コホート研究」として、世界的にも高く評価されています。
研究の概要
開始時期: 1961年に脳卒中予防を目的として開始されました。
研究対象: 久山町の40歳以上の住民全員を対象としています。
特徴: 住民の健康診断データ、生活習慣、死亡後の剖検データなど、包括的な情報を継続的に収集しています。
主な成果
この研究によって、日本人の生活習慣病や認知症に関する貴重な知見が数多く明らかになりました。
脳卒中と高血圧:
研究開始当初、日本の死因の上位を占めていた脳卒中の原因として、高血圧が大きく関わっていることを科学的に証明しました。これにより、高血圧治療の重要性が広く認識されました。
アルツハイマー病の有病率:
世界で初めて、地域住民を対象とした大規模な調査で、アルツハイマー病の有病率を明らかにしました。
生活習慣と認知症:
高血圧や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病が、認知症の発症リスクを高めることを明らかにしました。これは、「健康な血管を保つことが、脳の健康にもつながる」という考え方の根拠となっています。
病理学的な発見:
死亡後に協力者の脳を病理学的に解析することで、生前の診断と病理所見の関連性を明らかにしました。これにより、アルツハイマー病や脳血管性認知症の病態解明に大きく貢献しています。
久山町研究は、半世紀以上にわたる継続的な調査によって、日本の医学研究と公衆衛生の向上に多大な貢献を果たしてきました。
認知症発症の14のリスク
2020年に国際的な医学雑誌『The Lancet』の委員会が提唱した、認知症の発症リスクのうち修正可能な(変えることができる)14の要因のことです。
これらの要因は、人生の各段階(幼少期、中年期、老年期)で対策を講じることで、認知症のリスクを下げられる可能性を示しています。
14の修正可能なリスク要因
幼少期(〜14歳)
低学歴: 十分な教育を受けられないことが、将来的な脳の「予備能力」を低くするリスクとされます。
中年期(15歳〜64歳)
高血圧: 中年期の高血圧は、脳の血管に負担をかけ、認知症のリスクを高めます。
難聴: 難聴を放置すると、脳への聴覚情報が減り、脳の活性化が妨げられることが指摘されています。
頭部外傷: 特に繰り返しの頭部外傷は、脳組織に損傷を与え、発症リスクを高めます。
飲酒: 過度な飲酒は脳細胞に悪影響を及ぼし、認知機能の低下を招きます。
肥満: 中年期の肥満は、糖尿病や高血圧などのリスクとなり、間接的に認知症のリスクを高めます。
老年期(65歳〜)
喫煙: 喫煙は血管を収縮させ、脳への血流を悪化させるため、認知症のリスクを高めます。
うつ病: うつ病は脳の神経ネットワークに影響を与え、認知症発症リスクを高める可能性があります。
社会的孤立: 人との交流が少ないと、脳への刺激が減り、認知機能の低下につながります。
運動不足: 適度な運動は脳の血流を改善し、神経細胞の新生を促すため、不足するとリスクが高まります。
糖尿病: 血糖値が高い状態が続くと、血管や神経に悪影響を及ぼします。
大気汚染: 大気中の有害物質が脳に侵入し、炎症を引き起こす可能性があります。
遺伝的要因: APOE4遺伝子などの影響
不眠症: 睡眠不足は脳内の老廃物(アミロイドβなど)の排出を妨げるため、リスクを高めます。
これらのリスク要因への対策は、健康的な生活を送る上でも非常に重要です。
伴侶動物
伴侶動物とは、人間の生活に寄り添い、家族の一員として愛される動物たちのことです。
「ペット」から「伴侶動物」へ
以前は、人間が所有する「愛玩動物(ペット)」という言葉が一般的でした。しかし、近年では、動物と人間が対等な立場で互いの人生を豊かにする関係性を重視し、「コンパニオン・アニマル(Companion Animal)」という考え方が広まりました。日本語では、これを「伴侶動物」と訳しています。
この言葉の広がりは、動物の命や福祉に対する意識の変化を反映しています。
伴侶動物の代表例
犬や猫が最も代表的な伴侶動物ですが、ウサギ、鳥、ハムスター、爬虫類なども含まれることがあります。これらの動物たちは、私たちに癒しや喜びを与え、心の支えとなる存在です。
伴侶動物を迎え入れることは、その命に対する責任を持つことでもあります。適切な飼育環境や医療、そして最期まで寄り添うことが求められます。
ヒートショックプロテイン(HSP)
ヒートショックプロテイン(HSP)は、熱などのストレスを受けた細胞が自らを保護するために作り出す特殊なタンパク質です。細胞の修復や活性化を助ける働きがあり、体にとって重要な役割を担っています。
ヒートショックプロテインの主な働き
ヒートショックプロテインは、細胞の「保護係」や「修復係」のような働きをします。
細胞の保護: 熱や紫外線、強いストレスなどを受けた細胞は、タンパク質の構造が壊れ、正常に機能しなくなります。HSPは、このダメージを受けたタンパク質が凝集するのを防ぎ、細胞が正常な状態を保てるように助けます。
タンパク質の修復: 構造が壊れたり変形したりしたタンパク質を、元の正しい形に戻す手助けをします。これにより、細胞の機能が回復し、ストレスに対する抵抗力が高まります。
免疫細胞の活性化: HSPは、免疫細胞に働きかけて活性化させる作用もあるとされており、病気に対する抵抗力を高める効果も期待されています。
日常生活での活用
適度な温熱刺激は、体内でHSPを増やす効果があるとされています。例えば、40度前後の湯船に10〜15分ほど浸かる入浴法は、HSPを増やし、免疫力の向上や疲労回復、美容効果につながると考えられています。これを「HSP入浴法」と呼ぶこともあります。
ただし、HSPを増やす目的で過度な高温の湯に浸かるのは危険を伴うため、無理のない範囲で行うことが重要です。
エピジェネティクス
エピジェネティクスとは、DNAの塩基配列そのもの(遺伝情報)を変えることなく、遺伝子の働きを変化させる仕組みのことです。これは、生まれ持った遺伝子だけでなく、日々の生活習慣や環境が、私たちの体の機能や病気に影響を与えるメカニズムを説明する、重要な生物学の分野です。
エピジェネティクスの主な仕組み
エピジェネティクスの代表的な仕組みには、「DNAメチル化」と「ヒストン修飾」があります。
DNAメチル化
DNAの特定の場所に「メチル基」と呼ばれる化学物質が結合することで、遺伝子のスイッチがオフになり、その遺伝子からタンパク質が作られなくなります。例えば、細胞をがん化させる遺伝子をオフにしたり、逆にがんを抑制する遺伝子をオフにしたりすることがあります。
ヒストン修飾
DNAは、「ヒストン」と呼ばれるタンパク質に巻き付いて、核の中にコンパクトに収められています。ヒストンに化学的な修飾が加わると、DNAの巻き付き方が変わり、遺伝子のスイッチがオンになったり、オフになったりします。
エピジェネティクスが影響するもの
エピジェネティクスは、私たちの人生の様々な側面に影響を与えます。
病気の発症
がんや糖尿病、心臓病といった多くの病気は、遺伝子の働きが不適切にコントロールされることで発症すると考えられています。生活習慣の改善は、エピジェネティクスの変化を通じて、これらの病気のリスクを下げることが期待されます。
発達と老化
受精卵が、筋肉や神経など様々な細胞に分化していく過程や、老化に伴う体の変化も、エピジェネティクスの変化によって制御されています。
環境の影響
食生活、運動、ストレス、喫煙といった環境要因が、エピジェネティックな変化を引き起こし、それが次世代に受け継がれる可能性も研究されています。
このように、エピジェネティクスは、遺伝情報だけで私たちの運命が決まるわけではなく、環境や生活習慣が遺伝子の働きを柔軟に変え、私たちの健康や特性に影響を与えることを示しています。
🧠「認知症」は克服できる!?
— NHK京都 (@nhk_kyoto) September 5, 2025
身近な感染症が認知症のリスクに?
認知症研究の取材から
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MC#タモリ さん#山中伸弥 さん#吉岡里帆 さん
知的探求フロンティア タモリ・山中伸弥の!?
「認知症 克服のカギ」
6(土)[総合]後7:30放送予定https://t.co/munr8ZYEpv


















