戦争孤児として描かれた朝ドラヒロイン
戦争孤児として描かれた朝ドラヒロイン
戦争孤児、または戦災孤児として物語の出発点に立つ朝ドラヒロインは、主に以下の作品に登場します。
戦争孤児として描かれた朝ドラヒロイン
1. 『なつぞら』(2019年度前期)
ヒロイン名: 奥原なつ(おくはら なつ)(演:広瀬すず)
時代背景: 終戦直後
概要:
なつは、第二次世界大戦末期の東京大空襲で両親を亡くした戦災孤児です。
幼い頃、兄や妹と生き別れ、父の戦友であった柴田家に引き取られ、北海道・十勝の酪農一家で育ちます。
厳しい自然の中で新しい家族の愛を受け、成長したなつは、後に東京へ出て、アニメーションの世界で活躍を目指します。
戦争で失った家族との絆、そして新しい故郷での生活が、彼女の人生の大きなテーマとなっています。
2. 『鳩子の海』(1974年度前期)
ヒロイン名: 鳩子(はとこ)(演:藤田美保子)
時代背景: 終戦直後
概要:
鳩子は、広島原爆のショックで記憶を失い、瀬戸内の港町に迷い込んだ戦災孤児の少女として物語が始まります。
身元もわからないまま、さまざまな困難に立ち向かいながら、明るくたくましく生きる姿が描かれました。
この作品は、戦後の混乱期における「人間のよりどころ」「故郷とは何か」を問いかけるテーマ性の強い作品でした。
3. 『わたしは海』(1978年度後期)
ヒロイン名: 川村ミヨ(かわむら ミヨ)(演:相原友子)
時代背景: 昭和初期から終戦の混乱期
概要:
ミヨ自身が戦災孤児という設定ではありませんが、終戦の混乱期、舞台となった広島県の呉や倉橋島で、身寄りのないたくさんの戦争孤児たちを育て、支えた女性として描かれています。
彼女の半生を通して、戦後の孤児たちの厳しい現実と、彼らに向けられた温かい愛が描かれました。
その他
『あんぱん』(2025年度後期 ):
ヒロインの人生に深く関わる要素として、戦後の**「戦争孤児」の問題**が描かれることが発表されています。ヒロイン自身が孤児ではないものの、戦後の社会問題として重要な役割を担うとされています。
このように、戦後の朝ドラでは、戦災孤児をヒロイン自身とするか、あるいはヒロインが関わり、支援する対象として、戦争が残した深い傷と、そこから立ち上がろうとする人々の生命力が繰り返し描かれています。