明治維新の変革期を乗り越えた朝ドラヒロイン
明治維新の変革期を乗り越えた朝ドラヒロイン
明治維新という激動の時代に遭遇し、その後の近代を生き抜いた朝ドラヒロインとしては、『あさが来た』の今井(白岡)あさ(モデル:広岡浅子)が代表格ですが、他にも、明治時代を主な舞台としたヒロインは何人かいます。
ただし、「明治維新に遭遇した(幕末から明治初期を生き抜いた)」という観点で特に重要なヒロインは以下の二人です。
明治維新の変革期を乗り越えたヒロイン
1. 『あさが来た』(2015年度後期)
すでに紹介した通り、今井(白岡)あさ(演:波瑠)は、幕末の京都に生まれ、明治維新の混乱で大坂の豪商・加島屋が経営危機に陥るのを目の当たりにします。
時代背景: 幕末〜明治〜大正
ポイント: 武士の世から商人の世へという大きな価値観の変化の中、女性が事業に乗り出すという社会変革の先駆者として、経済面から明治を生き抜きました。
2. 『はね駒(こん)』(1986年度前期)
明治初期を舞台に、女性が「女学生」となり、やがて新聞記者として自立していく物語です。
ヒロイン: 橘りん(演:斉藤由貴)
時代背景: 明治初期(主に明治10年代以降)
ポイント: 明治維新によって開かれた女子教育の道を進み、自立した職業を持つ女性がまだ珍しかった時代に、ジャーナリズムの世界で活躍します。身分制度が崩壊し、新しい価値観が芽生える明治という時代を、教育と仕事を通じて切り開いていきました。
明治時代を主な舞台としたその他のヒロイン
明治維新というよりは、明治時代中期以降の新しい価値観の中で活躍するヒロインたちもいます。
3. 『花子とアン』(2014年度前期)
ヒロイン: 村岡花子(演:吉高由里子)
時代背景: 明治〜大正〜昭和
ポイント: 明治時代に女子教育を受け、翻訳家として活躍しました。イギリスの児童文学**『赤毛のアン』**を翻訳し、困難な時代に希望を届けた女性として、新しい明治・大正の文化を担いました。
4. 『エール』(2020年度前期)
ヒロインの夫: 主人公は作曲家の古山裕一(モデル:古関裕而)。ヒロインは妻の古山音(モデル:古関金子、演:二階堂ふみ)。
時代背景: 明治末期〜昭和
ポイント: 明治の終わり頃に生まれ、大正から昭和にかけて、音楽を通じて大衆文化を支えました。夫を支えつつ自身も歌手を目指すヒロインの姿は、**「大正デモクラシー」**の自由な気風と、その後の戦争の時代を反映しています。