石炭酸噴霧器💛【連続テレビ小説】風、薫る(33)第7週「届かぬ声」
石炭酸噴霧器
こんにちは
猫好き父さんです
手術のシーンで
なんだ
あれ?
と思ってました
石炭酸噴霧器
というものが
あったんですねえ
あらすじ
園部(野添義弘)の再手術は成功したものの、りん(見上愛)は担当を外されてしまう。自分の看護には何が足りなかったのかと悩んでいると、直美(上坂樹里)から、園部の退院を知らされて。一方、シマケン(佐野晶哉)は友人の槇村(林裕太)に編集部へ原稿の持ち込みを薦められるが…
出演者
【出演】見上愛,上坂樹里,佐野晶哉,生田絵梨花,古川雄大,平埜生成,菊池亜希子,中井友望,木越明,原嶋凛,猫背椿
原作・脚本
【脚本】吉澤智子,【原案】田中ひかる
音楽
【音楽】野見祐二
園部さんの手術のシーンで使われていたこちらは“石炭酸噴霧器”
— 朝ドラ「風、薫る」公式 (@asadora_nhk) May 12, 2026
空気中の細菌を死滅させるために、熱で気化した石炭酸を手術の際に噴霧するのだそうです。
👇見逃し配信はNHK ONEでhttps://t.co/GeLWtxnN6P#古川雄大 #朝ドラ #風薫る pic.twitter.com/2hEda1v3Xj
石炭酸噴霧器(せきたんさんふんむき)
石炭酸噴霧器(せきたんさんふんむき)は、19世紀後半、医学史における革命とも言える「消毒法」の確立期に登場した医療器具です。
イギリスの外科医ジョゼフ・リスナー(Joseph Lister)が、空気中の微生物が手術創の化膿を引き起こすと提唱し、その対策として考案しました。
1. 誕生の背景:防腐法の父「リスナー」
リスナーが登場する前、手術後の死亡率は極めて高く、その原因の多くは感染症(手術創の化膿)でした。
パストールの影響: リスナーは、フランスの細菌学者パストールの「腐敗は微生物によって起こる」という説を外科に応用しました。
石炭酸(フェノール)の採用: 下水処理の消臭に使われていた石炭酸に強力な殺菌作用があることに着目し、これを手術室全体に散布しようと考えたのです。
2. 噴霧器の仕組みと役割
石炭酸噴霧器は、石炭酸の希釈液を霧状にして室内に放出する装置です。
手術中の散布: 手術を行っている最中、常に医師や患者、手術器具、そして傷口に向けて霧を吹きかけ続けました。
蒸気圧の利用: 初期のものは手動でしたが、後に蒸気機関を利用した「スチーム・スプレー(Steam Spray)」が主流となり、自動で霧を噴出し続けることができるようになりました。
3. 日本への導入と「看病婦」の歴史
日本にも明治時代にこの技術が導入され、近代医学の発展に大きな影響を与えました。
長与専斎と緒方正規: ドイツ医学の流れを汲んで導入され、当時の最先端病院(大学病院の前身など)で使用されました。
過酷な現場: 当時の看護師(看病婦)たちは、石炭酸の霧が立ち込める中で作業をしなければなりませんでした。石炭酸は皮膚への刺激が強く、独特の強い臭いが染み付くため、非常に過酷な労働環境だったと言われています。
4. 衰退と現代への繋がり
石炭酸噴霧器は、現代の「無菌手術(Aseptic Surgery)」へと進化する過程で、やがて使われなくなりました。
健康被害と効率: 石炭酸の霧を吸い込み続けることは医師や看護師の健康に悪影響があり、また「空気中の菌を殺すよりも、手や器具を直接消毒する方が効果的である」という考え方が主流になったためです。
滅菌法への移行: その後、熱による「滅菌(Autoclave)」や、手術着・手袋の着用といった現代の手法へと繋がっていきます。
💡 結論
石炭酸噴霧器は、「手術室は不潔な場所」という常識を「科学の力で清潔にする」という意識に変えた、記念碑的な道具です。
以前お話しした「大名行列のような教授回診」が行われる大病院の廊下にも、かつてはこの石炭酸の独特な臭いが漂っていたのかもしれません。また、ヤングケアラーが担う「清潔の保持」や「ケア」の重要性も、こうした消毒の歴史の積み重ねの上に現在の安全な医療として確立されています。




















