『夢まであと少し』 (Almost There) ⛸ディズニーオンアイス2025(有明アリーナ)
『夢まであと少し』 (Almost There)
『夢まであと少し』 (Almost There) について
『夢まであと少し』(Almost There) は、ディズニーのアニメーション映画**『プリンセスと魔法のキス』(原題: The Princess and the Frog、2009年公開)の劇中歌です。主人公のティアナ**が歌うこの曲は、彼女の努力、決意、そして夢に対する情熱を力強く表現しており、作品のテーマを象徴する重要なナンバーです。
楽曲の概要
作詞・作曲: ランディ・ニューマン (Randy Newman)
歌唱: アニカ・ノニ・ローズ (Anika Noni Rose) (ティアナの歌唱部分)
ランディ・ニューマンは、『トイ・ストーリー』シリーズをはじめとするピクサー作品でも数々の名曲を手がけたことで知られる、グラミー賞やアカデミー賞の受賞歴を持つ作曲家です。彼がディズニーのプリンセス映画の楽曲を手がけたことは、当時も注目されました。
楽曲が使われるシーン
この曲は、映画の序盤でティアナが自身の夢であるレストランを開くための資金を貯めるために、複数の仕事を掛け持ちしながら懸命に働く姿を描くモンタージュシーンで流れます。
ティアナは、皿洗いや給仕など、地道な労働をこなしながらも、決して夢を諦めず、未来の自分のレストランの姿を想像しては、その実現に向けて着実に努力を重ねています。彼女が働くシーンと、夢のレストランのイメージが交互に映し出され、ティアナの強い意志とポジティブな姿勢が強調されます。
楽曲の魅力と評価
『夢まであと少し』は、以下のような点で多くの人々から高く評価されています。
力強いメッセージ性:
「努力は必ず報われる」「夢は願い続けるだけでなく、自らの手で掴み取るもの」という、勤勉さや自己実現の重要性を歌っています。これは、従来のプリンセス物語とは一線を画す、自立した女性像を描いたティアナのキャラクターにぴったり合致しています。このメッセージは、現代の聴衆にも強く響く普遍的なものです。
ゴスペル・ジャズの影響:
舞台がニューオーリンズであることにちなみ、楽曲にはゴスペルやジャズ、ブルースの要素がふんだんに取り入れられています。特に、ティアナが幼い頃に母に聞かせてもらったという、絵本の世界を再現したような幻想的なアニメーションと、当時のニューオーリンズの活気あふれる風景が、音楽と一体となって描かれています。力強く、そしてどこか懐かしいような独特のリズムとメロディが特徴です。
アニカ・ノニ・ローズの歌唱力:
ティアナの声優を務めたアニカ・ノニ・ローズの歌唱力は圧巻です。彼女のパワフルでソウルフルな歌声が、ティアナの夢への情熱と決意を見事に表現しており、聴く者に勇気を与えます。
視覚的な魅力:
手描きアニメーションの温かさと、ジャズエイジのニューオーリンズの華やかな色彩が融合した映像は、楽曲の魅力を一層引き立てています。特に、ティアナが描く夢のレストランのイメージが次々と具現化されていくシーンは、観る者の想像力を掻き立てます。
『夢まであと少し』は、単なるプリンセスソングではなく、夢に向かって努力するすべての人々への応援歌として、世代を超えて愛され続けています。
プリンセスと魔法のキス
ディズニーのアニメーション映画『プリンセスと魔法のキス』は、2009年に公開された長編アニメーション作品です。伝統的な手描きアニメーション(2Dアニメーション)で制作された数少ないディズニー映画の一つであり、**ディズニー史上初の黒人プリンセス「ティアナ」**が主人公として描かれていることで大きな話題となりました。
概要
舞台は1920年代のアメリカ、ニューオーリンズ。夢を追いかける真面目なウェイトレスのティアナと、魔法でカエルに変えられてしまったナヴィーン王子が繰り広げる、ロマンティックでユーモラスな物語です。単なるおとぎ話に終わらず、夢の実現のために努力することの大切さや、内面の美しさを描いています。
あらすじ
貧しいけれど料理の才能に恵まれたティアナは、いつか自分のレストランを持つという亡き父との夢を叶えるため、昼夜問わず懸命に働いています。一方、マルドニア国のナヴィーン王子は、陽気で享楽的な性格ですが、親の仕送りも打ち切られ、資産家の娘シャーロットとの結婚を考えていました。
そんなある夜、仮面舞踏会でティアナは、本物の王子と勘違いしたカエルのナヴィーンに出会います。彼は邪悪なブードゥーの魔術師ファシリエに騙され、カエルに変えられてしまったのです。ナヴィーンはティアナにキスをすれば元の姿に戻れると懇願しますが、キスしたティアナもまたカエルに変身してしまいます。
カエルになった二人は、人間にもどるため、そしてナヴィーンの呪いを解くため、ブードゥー教の心優しき妖婆ママ・オーディを訪ねる旅に出ます。旅の途中では、ジャズ好きのワニ、ルイスや、ロマンチストなホタルのレイといった個性豊かな仲間たちと出会い、様々な困難を乗り越えていきます。その中で、ティアナとナヴィーンはお互いの本質を知り、本当の愛に気づいていくのです。
主な登場人物
ティアナ (Tiana)
自分のレストランを持つという夢を叶えるため、一生懸命働く真面目な女性。料理の腕は一流。ディズニー初の黒人プリンセス。
ナヴィーン王子 (Prince Naveen)
マルドニア国の王子。陽気で少し遊び人な面もあるが、根は優しい。カエルに変身させられてしまう。
ファシリエ (Dr. Facilier)
ニューオーリンズの闇医者で、ブードゥーの魔術師。「影の男」と呼ばれ、欲望を利用して人々を惑わす。
ルイス (Louis)
トランペットが好きな、陽気で臆病なワニ。人間になりたいと願っている。
レイ (Ray)
ロマンチストで恋多きホタル。星(イベンジェリン)に恋をしている。
ママ・オーディ (Mama Odie)
沼地に住む、盲目の心優しきブードゥーの妖婆。ティアナとナヴィーンの呪いを解くための鍵を握る。
音楽
音楽は、ニューオーリンズを舞台としているため、ジャズやゴスペル、ブルースといった要素がふんだんに取り入れられています。作曲は、ディズニー作品でおなじみのランディ・ニューマンが担当しました。
特に有名な楽曲は以下の通りです。
「夢まであと少し (Almost There)」 - ティアナが歌う、夢への情熱と努力を歌った曲。
「もうすぐ人間 (When We're Human)」 - ルイス、ティアナ、ナヴィーンが歌う、人間になることへの希望を歌った曲。
「ファシリエの企み (Friends on the Other Side)」 - ファシリエの恐ろしさと魅力を象徴する曲。
「掘り出し物 (Dig a Little Deeper)」 - ママ・オーディが歌う、真の幸せを見つけるためのメッセージソング。
特徴と評価
手描きアニメーションの復活: 多くのディズニーファンが待ち望んでいた手描きアニメーションでの制作は、その温かみのある絵と表現力で高く評価されました。
多様性への貢献: 黒人プリンセスを主人公に据えたことで、ディズニーアニメーションの多様性を大きく広げました。
現代的なメッセージ: 夢の実現には努力が不可欠であること、そして見た目ではなく内面が大切であるという、現代にも通じる力強いメッセージが込められています。
ミュージカル要素の魅力: ニューオーリンズの文化を取り入れた楽曲と、キャラクターたちの個性的な歌唱が、映画の魅力を一層引き立てています。
『プリンセスと魔法のキス』は、伝統を大切にしつつも、新たな時代に合わせたメッセージとキャラクターを描いた、ディズニーの挑戦的な作品として、多くの人々に愛されています。