お正月だから日本酒が飲みたい!🍶最深日本研究 ~外国人博士の目~ 日本酒を知りたい
お正月だから日本酒が飲みたい!
こんにちは
猫好き父さんです
お正月だし
やはり
日本酒ですね!
フランスの文化地理学者ボーメール・ニコラが研究するのは日本酒。ワインの国フランスに、いち早く日本酒の魅力を伝えた研究者のひとりだ。古事記や日本書紀にある「酒」の描写の数まで調べ上げ、神様の飲み物だった日本の酒が庶民に広がるまでを考察。さらに「食べながら飲む」というフランス文化に対して「飲みながら食べる」のが日本だと、各地を巡り最新の日本酒文化を調査する。日本酒の謎と魅力に迫るフランスの学者を追う!
【出演】ボーメール・ニコラ,【語り】速水奨
ニコラ・ボーメール(Nicolas Baumert)さん
ニコラ・ボーメール(Nicolas Baumert)さんは、日本文化、特に**「日本酒」を文化地理学の視点から研究しているフランスの気鋭の学者**です。
🧪 1. どのような人物か?
専門: 文化地理学。フランスの名古屋大学とも言われる「リヨン第3大学」の准教授などを務めています。
研究対象: 単なるお酒の解説ではなく、**「なぜその土地でその酒が生まれたのか」「日本酒がどのように日本のアイデンティティを形作ってきたか」**という、空間・歴史・文化の繋がりを研究しています。
日本との縁: 日本に長く滞在し、各地の蔵元を歩き回ってフィールドワークを行っています。
🍶 2. 主な業績:『日本酒の地理学』
彼の代表的な著書(学位論文がベース)である『日本酒の地理学』は、フランス人ならではの視点で日本酒を分析した名著として知られています。
テロワール(風土)の概念: ワインの世界で使われる「テロワール(土地の性質)」という考え方を日本酒に当てはめ、気候、水、米、そして「造り手(杜氏)」のネットワークがどう関係しているかを解き明かしました。
近代化と伝統: 明治時代以降、日本酒がどのように国家の税収源となり、また近代的な産業として再編されていったかというプロセスを鋭く分析しています。
📜 3. なぜ今、注目されているのか
「外からの視点」の鋭さ: 私たち日本人が当たり前だと思っている「日本酒=神事や伝統」という図式を、地理学的なデータと歴史的背景から論理的に説明してくれます。
ユネスコ無形文化遺産への貢献: 近年、日本政府が「伝統的酒造り」のユネスコ無形文化遺産登録を目指す中で、彼の学術的な知見は世界に向けて日本酒の価値を発信する大きな助けとなっています。
「ワイン(フランス文化の象徴)」と「日本酒(日本文化の象徴)」の比較
ニコラ・ボーメールさんは、フランス人というバックグラウンドを持ちながら日本酒を深く研究しているため、「ワイン(フランス文化の象徴)」と「日本酒(日本文化の象徴)」の比較については、非常に鋭く、かつ愛のある分析を行っています。
彼が提唱する比較のポイントを、文化地理学的な視点からいくつか整理してご紹介します。
1. 「テロワール」と「技術」のバランス
フランスワインの根幹には**「テロワール(土地の力)」**という概念があります。「この畑の、この土壌だからこの味になる」という、土地の固定的な価値を重視します。
一方、ボーメールさんは日本酒についてこう分析しています。
日本酒は「技術(ノウハウ)」の芸術: もちろん水や米(風土)は重要ですが、日本酒はそれ以上に**「杜氏(とうじ)」の技術や、麹・酵母を操る複雑なプロセス**によって味が決まる側面が強いと指摘します。
移動する技術: フランスでは畑は動きませんが、日本ではかつて杜氏集団が冬の間だけ酒蔵へ移動し、その土地の素材を使って「酒」を醸してきました。この**「技術の流動性」**こそが日本酒のユニークさであると彼は述べています。
2. 「熟成」か「新鮮さ」か
ワイン(垂直の美学): 長い年月をかけて熟成させ、ヴィンテージ(収穫年)の価値を高めていく文化。
日本酒(円環の美学): かつての日本酒(特に戦後の流通)は「新酒」であること、新鮮であることが尊ばれてきました。ボーメールさんはこれを、日本の**「式年遷宮」のように、常に新しく作り直されることで永遠を保つ文化**と結びつけて考察することがあります。
ただし最近では、彼のような研究者の影響もあり、日本酒の「ヴィンテージ」や「長期熟成」の価値も再発見され始めています。
3. 食事との関係性:「寄り添う」か「高め合う」か
ワイン(マリアージュ): 強い個性同士をぶつけ合い、新しい味の調和(結婚)を生み出すもの。
日本酒(伴奏): ボーメールさんは日本酒の特性を**「食事の邪魔をせず、旨味を増幅させる」**点にあると見ています。口の中をリセットし、料理の良さを引き出す「名脇役」としての性質は、ワインとはまた異なる高度な食文化だと評価しています。
4. 聖なる飲み物としての共通点
ボーメールさんが特に関心を持っているのが、両者が持つ**「宗教的・象徴的側面」**です。
ワイン: キリスト教における「キリストの血」。
日本酒: 神道における「神への供物(御神酒)」。
どちらも単なる嗜好品ではなく、**「人と神、あるいは人と人を繋ぐための社会的な接着剤」**として、それぞれの文明の根幹に深く根ざしているという共通点を重視しています。
💡 ひとこと
ボーメールさんの視点が面白いのは、「日本酒はワインより劣っている」とか「勝っている」という議論ではなく、**「なぜ日本人はこの透明な液体に、これほどまでの精緻な技術と精神を込めたのか」**を地理的な条件から解き明かそうとしている点です。
・拡散希望・
— 清酒白老/白老梅/澤田酒造 (@hideaway_hakuro) December 26, 2025
2026年 元旦・1月1日(木)22:50〜23:20
NHK総合1 にて放送される
『最深日本研究 〜外国人博士の目〜
日本酒を知りたい』
フランスの文化地理学者ボーメール・ニコラ教授がいま研究しているテーマは日本酒。
この番組で、清酒白老/澤田酒造 も取材していただきました。…
最深日本研究 ~外国人博士の目~ [終]“コミケ”を知りたい
ブルガリアの人が知りたい日本のヨーグルトとは?🐮最深日本研究 ~外国人博士の目~ ヨーグルトを知りたい
観光目的地化における鉄道の役割🚃最深日本研究 ~外国人博士の目~ 鉄道を知りたい
最深日本研究 ~外国人博士の目~ 算額を知りたい
最深日本研究 ~外国人博士の目~ キャラクター文化を知りたい















