観光目的地化における鉄道の役割🚃最深日本研究 ~外国人博士の目~ 鉄道を知りたい
観光目的地化における鉄道の役割
こんにちは
猫好き父さんです
ほんとに
外国人の方って日本の研究が
好きですよねえ
自分たちの知らない日本人に
気づかされますね
最深日本研究
韓国の観光社会学者・安(アン)ウンビョルが研究するのは日本の鉄道。日本は一般書店でも各種の時刻表や鉄道雑誌が並ぶ特異な国という。さらに、移動のためだけではなく、純粋に「乗る」体験のために鉄道が利用されていることに注目。鉄道乗車愛好家「乗り鉄」に同行してその実態を調査したり、各地の観光列車にも自ら乗車してお客さんの楽しみ方をリサーチ。新幹線の成功から赤字路線の生き残りまで、個性的な研究成果を大公開!
【出演】観光社会学者…安ウンビョル,【語り】安元洋貴
安ウンビョル(안은별)さん
安ウンビョル(안은별)さんは、観光社会学を専門とする研究者です。
プロフィールと経歴
出身: 韓国仁川
所属: 現在、東京大学大学院情報学環の助教を務めているほか、複数の大学で兼任講師として教鞭をとっています。
専門: 彼女の専門分野は、観光社会学、モビリティ研究、メディア・コミュニケーション研究です。特に、日本の鉄道をテーマにした研究で知られています。
主な研究テーマ
安さんは、単なる移動手段としての鉄道ではなく、文化や社会との関係性から鉄道を捉える研究を行っています。具体的には、以下のようなテーマを扱っています。
鉄道旅行: 観光列車や「乗り鉄」に代表される、移動そのものを楽しむ行動や文化について研究しています。
鉄道の社会史: 国鉄時代の周遊券がどのようにして旅行文化を形成したかなど、歴史的な側面からも研究を行っています。
都市とモビリティ: 人やモノの移動が、現代社会や文化にどのような影響を与えているかを分析しています。
韓国のインターネット新聞社で記者として勤務した経歴もあり、韓国語での著書も出版しています。観光という現象を、歴史やメディア、社会とのつながりから多角的に分析する研究者として、注目を集めています。
鉄道オタク(鉄オタ)
鉄道オタク(鉄オタ)は、鉄道を趣味やライフワークとしている人たちのことです。一口に「鉄道オタク」と言っても、その楽しみ方は多岐にわたり、非常に奥深い世界が広がっています。
鉄道オタクの種類
鉄道オタクには、主な趣味の対象によってさまざまな分類があります。以下に代表的なものをいくつかご紹介します。
乗り鉄: 鉄道に乗ること自体が好きな人たちです。全国の路線を完乗することを目指したり、特定の区間を何度も乗ったり、景色や車両の揺れを楽しんだりします。
撮り鉄: 鉄道車両や風景を写真に収めるのが好きな人たちです。美しい構図やレアな車両を求めて、全国各地の撮影スポットを訪れます。
模型鉄: 鉄道のジオラマや模型を製作・収集する人たちです。NゲージやHOゲージなど、スケール(縮尺)に合わせて精巧な模型を組み立て、自宅で鉄道の世界を再現します。
音鉄(録り鉄): 鉄道の音、特にモーター音や走行音、駅の発車メロディなどを録音するのが好きな人たちです。
時刻表鉄(ダイヤ鉄): 時刻表を読み解くのが好きな人たちです。複雑なダイヤグラムを分析したり、効率的な乗車ルートを考えたりします。
廃線鉄: 廃止された鉄道や、廃線跡を訪れるのが好きな人たちです。昔の駅舎やトンネル跡などから、鉄道の歴史に思いを馳せます。
鉄道趣味の魅力
鉄道オタクは、特定の車両や路線、時代背景など、それぞれの関心に応じて専門知識を深めていきます。単なる移動手段としてではなく、歴史、技術、デザイン、地域文化など、さまざまな側面から鉄道を楽しむことができるのが大きな魅力です。
近年では、SNSや動画サイトを通じて、多くの人が鉄道の魅力を発信しています。これにより、鉄道趣味はさらに多様化し、多くの人々にとって身近なものになっています。
乗りつぶし
「乗り鉄」の楽しみ方の一つである乗りつぶしとは、特定の鉄道の路線を、端から端まで全て乗車することを指します。
これは、日本全国のJR全線を制覇したり、特定の私鉄の全路線に乗ったりするなど、個人で目標を設定して達成していく、鉄道趣味の中でも特に人気のあるジャンルです。
乗りつぶしの目標と魅力
乗りつぶしの目標は人それぞれで、その規模も多岐にわたります。
JR全線:日本中のJR線すべてを乗りつくすという、乗り鉄にとって究極の目標です。達成には長い年月と労力を要します。
私鉄や第三セクター:大手私鉄や、地域に根差した中小の路線をすべて制覇します。
都道府県別:特定の都道府県内にある全ての路線に乗車します。
新幹線・特急:特定の種類の列車にすべて乗ってみるという楽しみ方もあります。
乗りつぶしの魅力は、ただ電車に乗るだけでなく、以下のような点にあります。
達成感: 地図やリストを埋めていく楽しさと、目標を達成したときの大きな達成感があります。
未知との出会い: 普段なかなか乗る機会のないローカル線に乗ることで、その土地の風景や文化に触れることができます。
計画性: 限られた時間の中で効率よく路線を回るための旅程を組むのは、まるでパズルのような面白さがあります。
最近では、スマートフォンのアプリで乗車記録を管理できるものも増え、より手軽に乗りつぶしを楽しめるようになっています。
秩父鉄道
秩父鉄道は、埼玉県北部を走る私鉄で、特に観光列車や貨物列車が有名な鉄道会社です。
概要
路線: 埼玉県羽生市の羽生駅から、熊谷市、秩父市を経て、秩父郡長瀞町、秩父市三峰口駅を結ぶ全長71.7kmの路線を運行しています。
特徴: 荒川に沿って走り、沿線には長瀞渓谷や秩父三社(秩父神社、寶登山神社、三峯神社)など、多くの観光地があります。
SLパレオエクスプレス
秩父鉄道の最大の魅力の一つが、蒸気機関車(SL)の**「SLパレオエクスプレス」**です。
運行: 毎年、主に春から冬にかけて週末や祝日を中心に運行しています。
機関車: C58形蒸気機関車363号機が客車を牽引します。
愛称: 「パレオエクスプレス」は、秩父地方にかつて生息していた海獣「パレオパラドキシア」に由来しています。
その他の列車
貨物列車: 秩父地方で採掘される石灰石などを運ぶ貨物列車が多く運行されており、日本の貨物鉄道の重要な路線の一つです。
電気機関車: 貨物列車を牽引する力強い電気機関車も人気があり、多くの鉄道ファンが撮影に訪れます。
秩父鉄道は、観光と産業の両面で地域の重要な役割を担っており、特にSLの運行は、沿線の自然とともに多くの人々を魅了しています。
モバイルエスノグラフィー
モバイルエスノグラフィーとは、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスを活用して、人々の行動や文化を調査する手法です。
これは、人類学や社会学で用いられる伝統的なエスノグラフィー(民族誌学)をデジタル化したもので、調査員が直接現地に赴く代わりに、参加者自身に日常生活を記録してもらうことでデータを収集します。
従来の調査手法との違い
従来のエスノグラフィーでは、調査員が対象者のコミュニティに入り込み、長期にわたって行動を観察・記録します。
一方、モバイルエスノグラフィーでは、参加者が専用のアプリやプラットフォームを使い、自身の行動や感情をリアルタイムに記録します。例えば、ある製品を使った感想を動画で撮影したり、日々の食事を写真で記録したり、買い物中の気づきを音声でメモしたりします。
主な特徴とメリット
自然な行動の観察: 調査員の存在が影響しないため、より自然で本音に近い行動や思考を捉えることができます。
場所と時間の制約がない: 調査員が物理的にアクセスしにくい場所や、特定の瞬間の行動(例えば、深夜の行動など)を記録することが可能です。
コンテキスト(文脈)の把握: なぜその行動をとったのか、その時どう感じたのかといった背景情報を、参加者自身の言葉や視点で詳細に得ることができます。
データの多様性: テキストだけでなく、写真や動画、音声といったリッチなデータを得られるため、より深い洞察につながります。
主な活用分野
この手法は、ユーザーリサーチ、マーケティング、社会学、製品開発など、様々な分野で活用されています。消費者の隠れたニーズや習慣、製品の使用状況などを深く理解したい場合に特に有効な調査手法です。
上演論(じょうえんろん)
上演論(じょうえんろん)は、演劇学やパフォーマンス研究の分野において、舞台上の出来事が観客とどのように相互作用し、どのような意味や効果を生み出すかを研究する学問分野です。
これは、脚本や文学としての「戯曲」を分析する従来の演劇研究とは異なり、実際に舞台の上で行われる「上演」そのものを主な研究対象とします。
上演論の主な考え方
舞台と観客の相互作用:
上演は、演者から観客への一方的な表現ではなく、観客の存在や反応が上演そのものに影響を与える「対話的な行為」と捉えます。観客は単なる受け手ではなく、上演の一部を構成する重要な要素と考えます。
上演を「プロセス」として捉える:
上演は、本番の瞬間だけでなく、稽古、リハーサル、そして上演後の観客の記憶や批評までの一連のプロセス全体を研究の対象とします。
「上演性(パフォーマティビティ)」という概念:
上演論は、演劇やダンスだけでなく、日常生活の様々な行為にも見られる「見せること」「演じること」の側面にも注目します。例えば、政治家の演説、スポーツの試合、宗教的な儀式なども、「上演性」を持つものとして分析されます。
上演論は、舞台芸術の理論だけでなく、社会学、人類学、メディア研究など、多様な分野と結びつき、人間が社会の中でどのように自己を表現し、コミュニケーションを取っているかを深く探る学問として発展しています。
観光目的地化における鉄道の役割
観光目的地化において、鉄道は単なる移動手段ではなく、観光体験そのものを創出し、地域全体の価値を高めるという多岐にわたる重要な役割を担っています。
主な役割は以下の通りです。
1. 玄関口としての役割(アクセスの確保)
新幹線や特急列車は、遠方から多くの観光客を効率的に目的地へ運び込む「大動脈」としての役割を果たします。駅は地域の玄関口となり、観光客が最初に訪れる場所として、その地域の第一印象を決定づけます。
2. 観光体験としての役割
鉄道に乗ること自体が、旅の目的となることがあります。
観光列車・豪華列車: 特徴的なデザインや車窓からの絶景、地元の食材を使った食事を提供することで、移動時間を非日常的な体験へと変えます。JR九州の「ななつ星in九州」などがその代表例です。
ローカル線: 地域の生活に密着したローカル線は、その土地ならではの風景や人々の暮らしに触れることができ、旅に深みを与えます。
3. 地域ブランドの形成と魅力発信
鉄道は地域のシンボルとして、そのブランドイメージを形作ります。
駅舎や車両のデザイン: 歴史的な駅舎や、地域色を取り入れたユニークな車両は、その地域の魅力を視覚的に伝える役割を果たします。
沿線プロモーション: 鉄道会社が沿線の観光スポットやイベントを積極的にPRすることで、地域全体の魅力を高め、観光目的地化を後押しします。
4. 地域経済の活性化
鉄道は観光客を運ぶだけでなく、駅や沿線に商業施設、ホテル、土産物店などを誘致するきっかけとなります。これにより、雇用創出や消費活動が活発になり、地域経済全体に良い影響を与えます。
このように、鉄道は「運ぶ」役割を超え、観光客の旅の満足度を高め、地域全体の持続可能な発展に貢献する重要な要素と言えます。
観光目的地化(かんこうもくてきちか)
「観光目的地化(かんこうもくてきちか)」とは、ある地域が、単なる通過点や日帰りの観光地ではなく、観光客が長期滞在し、お金を使い、多様な体験を楽しめるような魅力的な「目的地(デスティネーション)」へと発展していくプロセスを指します。
これは、観光客が「なぜその場所に行くのか」という理由を明確にし、その地域全体の価値を高める取り組みです。
観光目的地化に必要な要素
観光目的地化を成功させるためには、以下の要素が複合的に組み合わさることが重要です。
1. 魅力(アトラクション):
その地域にしかないユニークな観光資源(自然、歴史、文化、食など)を磨き上げ、観光客を惹きつける「主役」を作ることです。
2. インフラとサービス:
観光客が快適に過ごせるための交通手段(空港、駅、バスなど)、宿泊施設、飲食施設、情報提供サービスなどを整備することです。
3. マーケティングとブランディング:
その地域の持つ魅力を効果的に国内外に発信し、「この場所に行ってみたい!」と思わせるイメージを確立することです。
観光目的地化の背景にある考え方
現代の観光客は、ただ有名な場所を見て回るだけでなく、より個人的で深い「体験」を求めています。そのため、観光目的地化は、地域全体が一体となって、質の高い観光体験を提供し、リピーターや口コミを通じて持続的に観光客を呼び込むことを目指します。
このプロセスは、地域の活性化や経済効果をもたらす一方で、観光客の増加に伴う環境問題や地域住民との摩擦(オーバーツーリズム)といった課題も生じることがあります。そのため、持続可能な観光を前提とした計画的な取り組みが重要とされています。
【日本の鉄道 × 韓国の観光社会学者】
— NHK PR (@NHK_PR) September 8, 2025
注目点は、移動だけでなく、純粋に「乗る」体験で鉄道が利用されていること。
「乗り鉄」に同行&各地の観光列車にも自ら乗車。
お客さんの楽しみ方をリサーチします。
最深日本研究 〜外国人博士の目〜
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