生きて帰ってきなさい！

こんにちは

猫好き父さんです

みんなが言いたくても

言えないことを

はっきりという

強いお母さんですね

画像は公式からの引用です

あらすじ

坊主頭の嵩（北村匠海）を見て全てを悟ったのぶ（今田美桜）は、「おめでとうございます」と頭を下げる。迎えた出征の日。町の人たちに激励される嵩に、千代子（戸田菜穂）も必死に言葉を絞り出す。すると、そこにとある人物が現れ…。

出演

【出演】今田美桜，北村匠海，江口のりこ，河合優実，原菜乃華，池津祥子，吉田鋼太郎，藤本健翔，瀬口直助，木村日鞠，斉藤暁，小倉蒼蛙，櫻井健人，樫尾篤紀，瞳水ひまり，戸田菜穂，寺島ゆうか，倉本沙耶ほか

【作】中園ミホ

出征式（しゅっせいしき）

出征式（しゅっせいしき）とは、戦前の日本において、徴兵によって兵士として軍隊に入営する者や、戦地へと赴く兵士を、家族、地域住民、学校関係者などが盛大に見送るための式典や集会のことです。これは、単なる別れの場ではなく、国家による戦意高揚と、地域社会における連帯感の醸成という重要な目的を持っていました。

目的

出征式の主な目的は以下の通りでした。

戦意高揚: 国民に対し、兵役の義務を果たすことの重要性や、国のために戦うことの尊さを強調し、戦争への支持と協力を促す。
士気向上: 出征兵士の士気を高め、彼らが「名誉ある兵士」として戦地へ赴く意識を植え付ける。
国家と国民の一体感醸成: 国民一人ひとりが戦争に深く関わっているという意識を高め、銃後（国民）と前線（兵士）の結束を強める。
地域社会の結束: 地域住民が一体となって兵士を見送ることで、共同体意識を強化し、相互扶助の精神を育む。

内容と流れ（典型的なパターン）

出征式は、規模や地域によって様々でしたが、一般的には以下のような要素が含まれていました。

自宅での別れ:
- 召集令状（俗に言う「赤紙」）が届くと、家族や親類縁者、近所の人が集まって、赤飯を炊いたり、酒を酌み交わしたりして、別れを惜しみました。
- 千人針（せんにんばり）や日の丸の寄せ書き（多くの人が国旗にメッセージを書き込んだもの）などが、出征する兵士に贈られました。これらは、兵士の武運長久（戦地での無事と幸運）を願うお守りでした。
壮行会・祈願祭:
- 村役場、学校の校庭や講堂、公会堂、あるいは神社の社殿などが会場となり、地域住民が集まって壮行会（そうこうかい）が開かれました。
- 村長、在郷軍人分会長、婦人会長、青年会長などが挨拶を行い、餞別（せんべつ）が贈呈されました。
- 出征兵士本人も挨拶を行い、村長の発声で万歳三唱が行われるのが一般的でした。
- 神社の社殿で、武運長久を祈る祈願祭が行われることもありました。
沿道での見送り:
- 出征兵士は、軍服を着用し、自分の名前が書かれた赤いタスキなどをかけて、盛大な見送りの列の先頭に立ちました。
- 一般市民、婦人会、青年団、学校児童などが長蛇の列を作り、日の丸の小旗を振り、軍歌を歌いながら、駅や港まで行進しました。
- 駅や港では、列車や船に乗る兵士に向かって、多くの人々が「万歳！」と叫びながら見送りました。

戦局の変化と出征式の変化

日中戦争が始まる昭和12年（1937年）頃から、このような盛大な出征式が各地で行われるようになりました。しかし、戦局が悪化するにつれて、出征式のあり方も変化していきました。

制限・禁止: 戦争が長期化し、軍事機密保持（防諜）や物資節約、または人手不足などを理由に、盛大な歓送迎や祈願祭が制限・禁止されるようになりました。
私服での出征: 応召兵が軍服ではなく私服で密かに出征することも増え、「赤紙の祭」とまで呼ばれた華々しい出征式は次第に姿を消していきました。これは、兵士や民衆の士気を弱め、戦意を喪失させる一因ともなったと言われています。

出征式は、国家の政策と国民の感情が結びつき、戦時下における社会全体の動員体制を象徴する重要な儀式でした。それは、見送る者にとっても、見送られる者にとっても、忘れられない記憶として刻まれた出来事でした。

生きて帰ってこい

太平洋戦争時に出征する人に対して「生きて帰ってこい」と直接的に言えなかった背景には、当時の日本の国家体制、社会思想、そして国民の精神状態が複雑に絡み合っています。

主な理由を以下に挙げます。

国家のプロパガンダと「玉砕」「一億玉砕」の思想:
- 当時の日本は、「富国強兵」「国家総動員」をスローガンに、国家のために命を捧げることを最高の美徳とする思想が徹底されていました。
- 兵士は「天皇の兵」であり、国家の防衛、ひいては「聖戦」遂行のために、個人の命は二の次であると教え込まれました。
- 「死んで詫びる」「玉砕（ぎょくさい）」（名誉の戦死）が奨励され、生き残ることよりも「戦場で潔く散ること」が英雄視されました。「生きて虜囚の辱めを受けず」（捕虜になるな、生き恥を晒すな）という軍人勅諭の精神も深く浸透していました。
- このような状況下で「生きて帰ってこい」という言葉は、個人の命を優先させる、あるいは戦場での死を避けることを示唆する言葉として、国家の思想に反する「非国民」的言動と見なされかねませんでした。
周囲の目と相互監視:
- 戦時下では、隣組や町内会といった地域社会の組織が強固になり、相互監視の体制が敷かれていました。
- 軍や政府の意向に沿わない言動は、「反戦的」「非国民」と批判され、厳しい目が向けられました。密告制度も存在し、発言一つで特高警察（特別高等警察）に目をつけられる可能性もありました。
- 「生きて帰ってこい」という言葉は、愛する家族の思いであっても、公の場では「士気を削ぐ言葉」と解釈され、周囲から非難されるリスクがありました。そのため、家族も本心を隠して、国家の求める模範的な見送りの姿を演じる必要がありました。
兵士の覚悟と「気遣い」:
- 出征する兵士自身も、自分が生きて帰れないかもしれないという覚悟を持っていました。その中で、家族から「生きて帰ってこい」と言われることは、かえって彼らに精神的な重荷を負わせることになりかねませんでした。
- 家族もそれを察し、兵士の決意を尊重し、不安を煽らないように、あえて強がったり、無事を祈る言葉を避けたりする選択をしたケースも多くありました。
- 代わりに、「立派に戦ってこい」「国のために頑張ってこい」といった、国家の求める言葉をかけることが、兵士の士気を高め、残される家族も「送り出した側の務め」と信じることにつながったのです。
悲しみの表現の抑制:
- 感情を表に出すことが「弱いこと」とされ、特に男は泣くべきではない、悲しむべきではないという風潮がありました。家族が出征する際の悲しみも、ぐっとこらえ、笑顔で見送ることが「立派な妻」「立派な母」の姿だとされました。
- 「生きて帰ってこい」という言葉は、直接的な悲しみや喪失感と結びつく言葉であり、それを口にすることで、社会全体が押し込めていた悲しみが噴き出すことを恐れた側面もあったかもしれません。

これらの理由から、多くの人々が心の中では「生きて帰ってきてほしい」と強く願いながらも、その言葉を直接口にすることはできず、「靖国で会おう」「天皇陛下万歳」といった言葉で、複雑な思いを押し殺して出征兵士を見送ったのです。これは、戦争という異常な状況下で、個人の感情や人間性がどのように抑圧されたかを示す、非常に悲劇的な側面でもあります。

日本人の死生観

日本人の死生観は、単一の明確な思想体系として定義するのが難しいほど、多様で重層的な特徴を持っています。これは、主に**神道（日本古来の自然信仰や祖先崇拝）と仏教（特に平安時代以降に日本に広まった仏教各宗派の教え）**の二つの大きな宗教的影響、そして時代ごとの社会状況や価値観の変化が複雑に絡み合ってきた結果と言えます。

1. 神道の影響：自然との一体感と祖先崇拝

日本古来の神道は、死を「穢れ（けがれ）」として捉える側面がある一方で、死は自然のサイクルの一部であり、亡くなった人はやがて神（祖霊）となり、子孫や家族を見守る存在になるという考え方が根底にあります。

「気枯れ」としての穢れ: 神道でいう「穢れ」は、単に不潔なことだけでなく、死によって生じる悲しみや喪失感による「気が枯れる」状態、つまり生命力の減退を指すと考えられます。
祖先崇拝: 亡くなった人は、家の守り神、あるいは地域の氏神のような存在となり、子孫の繁栄や安全を見守ると信じられています。お盆やお彼岸、お正月などに祖先を祀る習慣は、この祖先崇拝の現れです。
現世と他界の連続性: 古代日本の死生観では、この世とあの世（黄泉の国など）は完全に断絶しているわけではなく、比較的行き来が可能であると考えられていました。あの世は遠い異世界というよりも、身近な山の向こうなど、この世と地続きの場所にあるという感覚が強かったようです。
自然との調和: 自然と共生する中で、死もまた自然の一部として受け入れ、恐れるというよりも、受け入れていく姿勢が古くからありました。

2. 仏教の影響：輪廻転生と解脱、そして浄土

6世紀に仏教が伝来して以降、日本人の死生観に大きな影響を与えました。特に、**輪廻転生（死と再生の繰り返し）と因果応報（善悪の行いが来世に報いる）**の思想は広く浸透しました。

輪廻転生: 人は死後も魂が生まれ変わり、無限に生死を繰り返すという考え方です。これにより、死は終わりではなく、新たな始まりであるという希望や、現世の行いが来世に影響するという倫理観が生まれました。
六道輪廻: 善行を積めば良い世界（天道、人間道など）に、悪行を積めば悪い世界（地獄道、餓鬼道、畜生道など）に生まれ変わるという六道の概念も、人々の間で広く信じられました。
浄土信仰と成仏: 特に平安時代以降に広まった浄土教では、阿弥陀仏の救いによって、死後に苦しみのない「極楽浄土」に往生し、「仏になる」という思想が人々に大きな安心感を与えました。これは、現代でも「成仏する」「ご冥福をお祈りします」といった言葉に表れています。
死者供養の重視: 日本の仏教において最も特徴的なのが、死者供養の重視です。法要や墓参りを通じて、亡くなった人を弔い、冥福を祈ることで、生者と死者の魂が通じ合うという信仰が根付いています。これは、「本来の仏教」の教えよりも、日本独自の文化として発展した側面が強いと指摘されることもあります。

3. 現代の日本人の死生観

現代の日本人の死生観は、これらの伝統的な要素が混じり合いながらも、多様化しています。

特定の宗教宗派への意識の希薄化: 多くの日本人は、自身を特定の宗教宗派の信者だと強く意識していないことが多いです。しかし、葬儀は仏式で行い、お宮参りや結婚式は神前式やキリスト教式で行うなど、生活の中に複数の宗教文化が混在しています。
「何となくのあの世」: 特定の経典や教義に基づいた死後の世界観を持つ人は少ないですが、漠然と「死んだらどこか別の世界に行く」「先祖に見守られている」といった感覚を持つ人が多いです。
タブー視と多様化: かつては家庭内で「死」の話題がタブー視される傾向がありましたが、近年では「終活」や「エンディングノート」の普及、尊厳死や安楽死に関する議論など、死をタブー視せず、積極的に向き合う姿勢が広がっています。
「無常観」の影響: 仏教の「諸行無常」（すべてのものは移ろいゆく）という考え方も、日本人の死生観に深く影響を与えています。人生の儚さを受け入れ、限りある命をどう生きるか、という問いにつながります。

まとめ

日本人の死生観は、神道と仏教が融合し、長い歴史の中で育まれてきた、非常に複合的なものです。死を穢れと見なしつつも、祖先となって子孫を見守る存在とする神道の考え方と、輪廻転生の中で解脱を目指し、死者を供養する仏教の考え方が共存しています。現代においては、特定の教義に縛られず、個々人がそれぞれの形で生と死に向き合おうとする多様な姿勢が見られますが、その根底には、伝統的な思想が脈々と息づいていると言えるでしょう。

🏃‍♀️#きょうのあんぱん🖌

嵩の出征当日。
そこには、いるはずのない登美子の姿が…

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— 朝ドラ「あんぱん」公式 (@asadora_nhk) June 5, 2025