嵩は生かされる運命なのか?💛【連続テレビ小説】あんぱん 第11週「軍隊は大きらい、だけど」(53)
嵩は生かされる運命なのか?
こんにちは
猫好き父さんです
あんな致命的な失敗を犯したのに
なんと運のいい奴なんでしょう
また、なんで
嵩を応援するのでしょう?
こんな間抜けは前代未聞の存在なのに
あらすじ
厩舎で居眠りしてしまったものの、神野(奥野瑛太)に頼まれた島(横田栄司)の取り計らいで受験できた嵩(北村匠海)は、乙種幹部候補生に合格する。神野に礼を伝える嵩に、神野は自分も変わり者に頼まれたと言う。嵩は寝台で本を読む八木(妻夫木聡)のところへ向かい…。高知では、のぶ(今田美桜)のもとに次郎(中島歩)から手紙が届く。
出演
【出演】今田美桜,北村匠海,高橋文哉,中沢元紀,中島歩,横田栄司,奥野瑛太,櫻井健人,薄平広樹,日高由起刀,板橋駿谷,萩原亮介,久村優太郎,三浦和也,木津誠之,妻夫木聡
【作】中園ミホ
旧日本陸軍における幹部候補生制度
旧日本陸軍における幹部候補生制度は、優秀な人材を将校や下士官として育成し、軍の中枢を担わせることを目的とした制度でした。時代や戦局によって制度が何度か変更されましたが、ここでは主な制度と試験について解説します。
日本陸軍における幹部候補生制度の変遷
明治期以降、将校養成は主に陸軍士官学校(後に陸軍予科士官学校を経て陸軍士官学校本科へ)が担っていましたが、徴兵制の導入と軍の拡大に伴い、様々な背景を持つ人材を幹部として補充する必要が生じました。特に戦時中は、急速な幹部補充が求められ、多様な幹部候補生制度が設けられました。
1. 幹部候補生制度(甲種・乙種)
昭和初期から太平洋戦争期にかけて整備された、予備役将校・下士官を養成する制度です。
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甲種幹部候補生(甲幹)
- 目的: 予備役の将校(少尉・中尉・大尉)を養成することを目的としました。
- 対象者:
- 主に大学、高等学校、専門学校などの高学歴者(いわゆる「学徒」)が対象でした。
- 配属将校が在職する学校(軍事教練を行う学校)を卒業し、学校教練検定に合格していることが条件とされることが多かったです。
- 一部の制度では、大学の学部や予科に在学中の者も対象となりました(特に戦況が逼迫した時期)。
- 選抜試験:
- 学科試験:一般教養(大学教養課程修了程度)、専門科目(大学専門課程修了程度)など、高水準の学力が問われました。
- 小論文、口述試験、身体検査なども行われました。
- 飛行要員希望者には、別途、筆記式操縦適性検査や航空身体検査が実施されました。
- 教育課程:
- 現役兵として一定期間(例:4ヶ月以上)の勤務経験を積んだ後、幹部候補生として区分され、幹部候補生学校(兵科によって異なる)で将校に必要な専門教育を受けました。
- 教育修了後、部隊で見習士官(曹長待遇)として勤務し、その後、将校団による銓衡会議(せんこうかいぎ)で可決されれば、少尉に任官し予備役に編入されました。
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乙種幹部候補生(乙幹)
- 目的: 予備役の下士官(伍長・軍曹・曹長)を養成することを目的としました。
- 対象者:
- 甲種よりは学歴要件が緩和される傾向にありましたが、やはり一般の現役兵よりは優秀な人材が選抜されました。
- 比較的若年層(例:満20歳未満)も対象に含まれることがありました。
- 選抜試験:
- 学科試験は甲種よりも基礎的な内容でしたが、やはり小論文、口述試験、身体検査などが行われました。
- 教育課程:
- 現役兵として一定期間勤務後、幹部候補生として下士官に必要な教育を受けました。
- 教育修了後、試験や勤務成績に応じて伍長や軍曹に任官し、予備役に編入されました。
2. 陸軍特別幹部候補生制度(特幹)
太平洋戦争末期の1943年(昭和18年)12月に制定された、現役下士官を急速に補充するための臨時的な制度です。
- 目的: 短期間で下士官を養成し、戦局の激化に伴う兵力不足を補うこと。
- 対象者: 満15歳以上20歳未満の男子志願者。学歴は問わないとされましたが、速成教育に対応できる程度の学力は必要とされました(中学校3年生の2学期修了程度の内容)。
- 選抜試験: 身体検査、口頭試問、学科試験が行われました。
- 教育課程: 採用日から2年間の現役期間とされ、短期間の訓練で実戦部隊に配属されました。当初は技術教育を目的としましたが、戦況の逼迫により教育期間がさらに短縮されることもありました。
3. 特別甲種幹部候補生制度
1944年(昭和19年)5月に施行された制度で、こちらも将校を急速に補充するための臨時措置です。
- 目的: 戦時における将校の迅速な補充。
- 対象者:
- 大学、高等学校、高等師範学校などに在学中の者(特に兵科や経理部で特定の学科を専攻している者)が対象となりました。
- 配属将校の行う教練検定に合格していることが条件とされました。
試験の具体的な内容(例)
過去の採用試験問題を見ると、以下のような科目が含まれていました。
- 筆記試験:
- 一般教養: 大学教養課程修了程度の内容。
- 専門択一: 各兵科や各部の専門知識を問う内容。
- 小論文試験: 思想や見識、論理的思考力を問う。
- 口述試験: 人物評価、志望動機、軍人としての資質などを問う面接。
- 身体検査: 厳格な基準が設けられ、体力や健康状態が重視されました。
- 筆記式操縦適性検査: 飛行要員希望者のみ。
これらの幹部候補生制度は、日本陸軍の将校・下士官の補充に大きく貢献しましたが、特に太平洋戦争末期の制度は、戦局の悪化に伴う人材不足を補うための緊急的な措置であり、学徒動員と並んで、若者の犠牲を増大させる結果にもつながりました。
乙種幹部候補生(乙幹)
旧日本陸軍における「乙種幹部候補生(乙幹)」は、主に予備役の下士官(伍長、軍曹、曹長など)を養成することを目的とした制度でした。
乙種幹部候補生(乙幹)の概要
- 目的: 予備役の下士官を効率的に確保するため。平時の軍拡や有事の動員に備え、経験と技能を持つ下士官を迅速に部隊に配置できるようにする。
- 対象者:
- 学歴要件は甲種幹部候補生(将校候補)よりも緩和されていました。
- 一般の徴兵された兵士の中から、一定以上の学力や身体能力、資質を持つ者が選抜されました。
- 一部の制度では、特定の学校を卒業した者や、若年層の志願者も対象になりました。
- 選抜試験:
- 身体検査: 軍務に耐えうる体力や健康状態を厳しく審査。
- 学科試験: 甲種ほど高度ではありませんが、基礎的な学力(例:読み書き、算数、一般的な知識)が問われました。
- 口述試験: 志望動機、軍人としての資質、協調性、判断力などが評価されました。
- 人物考査: 性格やリーダーシップの資質なども重視されました。
乙種幹部候補生に合格するとどうなるのか?
乙種幹部候補生に合格すると、以下のようなプロセスを経て、下士官に任官し、予備役に編入されるのが一般的な流れでした。
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現役兵としての入営・基礎訓練:
- まず、一般の徴兵された兵士と同様に、部隊に入営し、一定期間(数ヶ月〜1年程度)の基礎的な兵士としての訓練を受けます。
- この期間中に、候補生としての適性や能力がさらに評価されます。
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幹部候補生への区分と専門教育:
- 基礎訓練期間が終了した後、正式に「乙種幹部候補生」として区分されます。
- その後、各兵科(歩兵、砲兵、工兵など)に応じた幹部候補生学校や、所属部隊内の下士官候補生教育機関に入校します。
- ここでは、下士官として部隊を統率し、兵士を指導するために必要な専門知識、技能、戦術、リーダーシップについて集中的な教育を受けます。教育期間は制度や兵科によって様々でしたが、数ヶ月から1年程度が一般的でした。
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見習士官(または見習下士官)としての勤務:
- 教育課程を修了すると、部隊に戻り、一定期間「見習下士官」として実務経験を積みます。この期間は、先輩下士官の指導のもと、実際に部隊の指揮や兵士の指導にあたり、実践的な能力を養います。
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下士官への任官と予備役への編入:
- 見習期間終了後、教育機関での成績や部隊での勤務評価などに基づき、伍長や軍曹といった下士官に任官されます。
- 任官後は、通常、現役兵としての服務期間を満了し、予備役に編入されます。
- 予備役の下士官は、平時は民間生活を送りますが、有事の際には軍に召集され、下士官として部隊の中核を担うことになります。
まとめ
乙種幹部候補生は、一般の兵士とは異なり、将来的に下士官として部隊を指導・統率する役割が期待されるため、より高度な訓練と教育を受けることができました。合格することは、軍隊内でのキャリアアップの道が開けることを意味し、当時の若者にとっては一つのエリートコースと認識されることもありました。しかし、その目的はあくまで有事の際に国家に奉仕するための、下士官要員の確保という軍事的必要性に基づくものでした。
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— 朝ドラ「あんぱん」公式 (@asadora_nhk) June 10, 2025
”変わり者”と聞き、お礼のため八木の元を訪れた嵩。
「八木上等兵殿はなぜ幹部候補生の試験を受けられないのですか?」
「俺はこんな所で偉くなるより、一日も早くシャバに戻りたい。だから、ささやかに抵抗している。ただ、それだけだ」#北村匠海 #妻夫木聡 pic.twitter.com/HRSUx6SSJx
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どうして嵩はそこでそういうミスをするかな~間抜け!🐎【連続テレビ小説】あんぱん 第11週「軍隊は大きらい、だけど」(52)