宣撫工作の効果について😢【連続テレビ小説】あんぱん 第12週「逆転しない正義」(56)
宣撫工作の効果について
こんにちは
猫好き父さんです
そもそも
中国語しかも福建語を理解しないで
進駐とか宣撫工作とか
ありえないだろうに
あらすじ
嵩(北村匠海)は、絵の才能を見込まれ宣撫班勤務を命じられる。宣撫班では紙芝居を見せていた市場でひと騒動があったといい、物々しい雰囲気が漂っていた。数日後、健太郎(高橋文哉)も宣撫班に入ることになり、2人は地元民から反感をかわない紙芝居を作ることに。
出演
【出演】北村匠海,高橋文哉,奥野瑛太,田中俊介,櫻井健人,濱尾ノリタカ,薄平広樹,板橋駿谷,萩原亮介,渋谷そらじ,妻夫木聡
【作】中園ミホ
宣撫班(せんぶはん)
日本陸軍の「宣撫班(せんぶはん)」は、主に日中戦争期から太平洋戦争期にかけて、日本軍が占領した地域で、住民の協力を得るために様々な活動を行った小部隊を指します。これらの活動は「宣撫工作(せんぶこうさく)」と呼ばれました。
宣撫班の目的
宣撫班の主な目的は、以下の通りでした。
- 人心の安定と治安維持: 戦火や敗残兵の略奪などに怯える住民に対し、日本軍が秩序をもたらし、安全を保障するというメッセージを伝え、不安を和らげること。
- 抗日思想の一掃と親日感情の醸成: 中国共産党や中国国民党による抗日宣伝を打ち消し、日本の戦争目的や方針を説明することで、日本軍に対する敵対心を減らし、親日的な感情を育むこと。
- 占領地の復興支援と協力関係の構築: 産業・経済・交通・文化の復興・建設を指導し、住民の生活改善を図ることで、日本軍への協力を得る。具体的には、新紙幣の流通、商店や工場の再開促進、金融・物資取引の斡旋、農作物の収穫支援などを行いました。
- 情報収集: 住民との関係構築を通じて、日本軍に有利な情報を収集し、諜報活動にも寄与しました。
- 日本の大義の宣伝: 日本軍の進攻が「東亜の解放」や「共栄圏の建設」といった大義に基づいていることを広報しました。
宣撫班の組織と活動内容
宣撫班は、部隊の進撃とともに活動する「従軍宣撫班」と、占領地に定着して活動する「定着宣撫班」に大別されます。
従軍宣撫班
- 任務: 進撃する部隊に同行し、情報収集、部隊のための必要物資や人夫の斡旋、宣伝活動が主任務でした。
- 活動例:
- 抗日宣伝工作の否定、日中親善の呼びかけを記したチラシの配布や広報活動。
- 民衆に軍用道路や架橋、軍需物資の調達への協力を求める(中国国民党軍が無賃労役を強制したのに対し、日本軍は対価を支払うことで信頼を得ようとした、とされることもあります)。
- 食料の準備と住民への配給(中国国民党軍の焦土作戦により、日本軍が進攻する地域では物資が略奪・破壊されることがあったため)。
定着宣撫班
- 任務: 占領地にとどまり、避難民の呼び戻し、復興支援、医療や教育、治安行政の回復・維持など、より長期的な民生工作にあたりました。
- 活動例:
- 政治・治安対策: 民衆の生命・財産の保護、地方の政治・治安の回復。
- 経済・産業復興: 新紙幣の流通促進、新店舗開店や工場開業の促進、市場開設の指導、金融・物資取引の斡旋、商務会の組織指導、農作物の集団収穫支援。
- 教育・文化促進: 学校教育の再開、日本語教育の導入、文化施設の運営、紙芝居や演劇、映画の巡回上映などによる宣伝活動。
- 医療・衛生: 医療施設の設置や巡回診療、伝染病対策。
- 慰安所運営への関与: 資料によっては、兵士の性のはけ口として慰安所の設置に関わり、女性を集める役割を担った宣撫班員の証言も存在します。これは宣撫工作の負の側面として指摘されることがあります。
- 宗教政策: 宗教行事の復活や振興策も重要施策の一つとされました。
構成員
宣撫班の構成員は、主に軍属(軍人ではないが軍に所属する文官)が中心でしたが、中には一般人(学者、文化人、宗教関係者など)が協力するケースもありました。日本語と現地の言語に堪能な通訳も重要な役割を担いました。例えば、キリスト教の宣教師が宗教宣撫班員としてフィリピンに派遣された事例も報告されています。
特務機関との関係
宣撫工作は、日本軍の「特務機関」が統括する情報・宣伝活動の一部として行われることが多く、特務機関が各地に宣伝班を配置し、民心獲得のための宣撫工作を担いました。
宣撫班の活動は、表面上は住民への支援や復興を目的としていましたが、その根底には日本軍の占領政策を円滑に進め、支配体制を確立するという意図がありました。そのため、その活動の評価は、歴史的背景や当時の状況を多角的に考慮する必要があります。
宣撫工作の効果
日本陸軍の宣撫工作がどれほどの効果を上げたかについては、歴史家の間でも評価が分かれる複雑な問題であり、地域や時期、対象となる住民の状況によって異なると言えます。一概に「効果があった」あるいは「全くなかった」と断じることは困難です。
効果があったとされる側面
- 一時的な治安維持と生活安定: 戦火に巻き込まれた地域では、日本軍の進駐によって一時的にでも秩序が回復し、略奪などが減ることで、住民が安堵した側面はあったと考えられます。物資の配布や医療活動などは、差し迫った住民のニーズに応えたものであり、短期的には感謝された可能性もあります。
- 協力者の獲得: 一部の地域の有力者や親日的な住民、あるいは日本の統治下で利益を得られた人々からは協力が得られました。特に、中国国民党や中国共産党との対立に疲弊していたり、不満を抱えていたりする住民の中には、日本軍の宣撫工作にある程度応じた者もいたでしょう。
- 情報収集: 宣撫班が住民との接触を通じて、敵対勢力の情報や地域の状況に関する情報を収集できたことは、軍事作戦上一定の効果があったと言えます。
- 新政権の樹立支援: 満洲国や汪兆銘政権のような傀儡政権の樹立と維持には、宣撫工作による一定の住民の協力(表面的なものも含め)が不可欠でした。
効果が限定的だった、あるいは逆効果だった側面
- 本質的な不信感: 宣撫工作は、あくまで軍事占領の一環であり、住民は自らの意思で日本の支配を受け入れたわけではありません。根本的なところで日本軍への不信感や反発があったため、宣撫工作がいくら行われても、心からの親日感情や協力関係が築かれることは稀でした。
- 武力による支配の限界: 宣撫工作は「アメとムチ」の「アメ」の部分でしたが、その裏には常に日本軍の圧倒的な武力支配がありました。占領地の拡大に伴い、日本軍の兵力が分散し、支配が点と線に留まる地域が多かったことも、宣撫工作の効果を限定的にしました。共産党軍など武装勢力が潜伏する地域では、住民は日本軍と協力することで報復を受けるリスクを抱えていました。
- 物資の強制徴用や弾圧: 宣撫工作で「秩序と安定」を謳いながらも、実際には軍の要求による物資の強制徴用や、抗日活動に対する厳しい弾圧が行われました。これにより、住民の不満や反発はかえって強まり、「アメ」の効果を打ち消してしまいました。特に、戦争が長期化し、日本の戦況が悪化するにつれて、物資の徴用や強制労働が増え、宣撫工作の限界が露呈しました。
- 文化・価値観の相違: 日本の価値観を押し付けようとする姿勢や、文化の違いに対する理解の欠如も、住民の反発を招く要因となりました。
- プロパガンダの限界: 識字率が低い地域や多民族が混在する地域では、印刷物による宣伝の効果は限定的でした。また、映画や演劇などの視聴覚メディアを用いた宣伝も行われましたが、それだけで住民の思想を完全に転換させることは困難でした。
まとめ
宣撫工作は、日本軍が占領地での統治を円滑に進めるための重要な手段であり、特に占領初期や比較的治安が安定している地域では、一時的な住民の協力や混乱の収拾に一定の効果を上げたと考えられます。しかし、その効果は表層的なものであり、日本軍の本質的な占領と支配、そして戦争の長期化に伴う住民への負担増大により、深い信頼関係を築くには至りませんでした。むしろ、武力による支配との矛盾や、その後の日本の敗戦によって、多くの地域で反日感情が根強く残ることとなりました。
宣撫工作は、占領政策における心理戦・情報戦の一環として、多大な労力と資源が投入されましたが、根本的な矛盾を抱えていたため、日本が目指した「共栄圏」の実現や恒久的な親日感情の醸成には失敗したと言えるでしょう。
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— 朝ドラ「あんぱん」公式 (@asadora_nhk) June 15, 2025
絵の上手さを理由に宣撫班勤務となった嵩。
宣撫班とは、医療活動や娯楽で日本軍への親しみを深めさせ、占領に協力させることを目的とする班のこと。
地元民から反感を買わず、老若男女が喜ぶ紙芝居を健太郎とともに作ることになりました。#北村匠海 #高橋文哉 pic.twitter.com/WpN1zHMBAQ
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